日本最古と言われ今年で100周年を迎えた阪神甲子園球場。野球選手にとってはあこがれの場所であり「野球の聖地」だ。その100周年の歩みの中で1994年から11年間、阪神のエースとしてマウンドに上がった藪恵壹氏に、甲子園の思い出について語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
今年開場100周年を迎えた阪神甲子園球場。高校野球、プロ野球でさまざまなドラマを生み出し「野球の聖地」と言われている
浜風が味方になった
高校生のときに、甲子園の大会に出場できなかったので、阪神に1位指名されたときに、あこがれのマウンドで投げられるという思いがありましたね。やはり、指名されたときに、まずそれを先に思い描きました。
1991年オフにラッキーゾーンが撤去されて以降、甲子園はピッチャーズパークになりました。私が入団した94年はまさに、投手有利な球場になっていたことも、私にとっては大きなアドバンテージになるなと思っていました。
実際に甲子園のマウンドに立ったのが94年のオープン戦(対横浜)。このときの第一印象は、マウンドがきれいだな、と。そして何より、投げやすいマウンドだな、でした。あのような投げやすいマウンドはその後もなかったですね。
ホームベースから、バックネットまでの後方の距離が遠いので、その空間感覚が私にとっては、投げやすい空間となっていました。投手によってその距離が、短いほうが近く感じて投げやすいとか、いろいろあると思いますが・・・
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