学生野球ともプロ野球ともまた違う社会人野球という一つのカテゴリー。中でも『都市対抗野球大会』でしか味わえない空気、熱気が存在する。スタンドで見て聞いて感じたからこそ、伝えられる唯一無二の魅力がある──。その世界に足を踏み入れればきっと、真夏の東京ドームに足を運びたくなる。 文=えのきどいちろう(コラムニスト) 
神宮球場で幕を開けた都市対抗野球は12回大会から後楽園球場で開催。59回大会[1988年]から戦いの場を東京ドームへと移している
大人が命を燃やして戦うプロ野球とは別種の野球
初めて都市対抗野球を見たのはざっくり25年ぐらい前だ。夏まっ盛りで、正直、東京ドームの冷房が魅力だった。ご存じの方も多いと思うが、僕は熱心な日ハムファンだ。プロ野球なら応援するチームも決まっていて、選手情報も頭に入っているけれど、社会人野球はさっぱり分からない。なので、きっかけはあくまで「冷え冷えのドームで野球が見られる」だった。それって天国じゃないのか。
東京ドームに一歩足を踏み入れて、しばらく呆然とした。そこは普段、日ハムがホームとして使用しているのとはまったく違う「異空間」だった。とにかく音の洪水だ。内野スタンドに応援団&チアのステージが設けられてて・・・
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