パ・リーグは開幕序盤からソフトバンクが勝利を重ね、2位・ロッテに10ゲーム差をつけ独走態勢を築いた。果たして、このまま一気にソフトバンクが頂点まで突っ走るか。一方でAクラス入り争いは激しさを増している。いずれにせよ、いろいろな意味で目の離せない戦いは続く。 注)チーム、選手成績は8月4日現在。メンバー表の選手名の横は背番号、記号は○=新入団、◎=育成から支配下登録、△=NPB他球団から移籍、□=NPB復帰、※は配置転換、選手の年齢は満年齢 
左からソト、ポランコ、メルセデス。いずれもセ・リーグ球団と契約が切れたところでロッテが獲得して大成功
あわよくば逆転リーグ優勝、最低でもシーズン終盤の2位争いを制してクライマックスシリーズ(CS)本拠地開催からの日本シリーズ出場を目指しているロッテは、先発候補の頭数を多くそろえることを最優先しているように見える。
リリーフ投手を初回から小刻みに継投する「ブルペンデー」と呼ばれる試合が、昨季からときどきある。先発ローテーション投手のコンディションの都合でやむを得ないことだが、目先の勝利のために選手に無理をさせずにコンディション最優先なのが、吉井監督の起用方針。
今季は
小島和哉、
種市篤暉、C.C.メルセデス、
西野勇士の「4本柱」が軸だが、1週間の中の5試合目、6試合目は
石川歩、
唐川侑己、
美馬学と言ったベテランを「一軍登録、即先発」で起用することが多い。契約したばかりのサイ・ヤング賞左腕カイケルも、おそらくそのように起用されるのではないか(あるいは、ソフトバンクとのCSにおける秘密兵器としての起用を視野に入れているのか)。
リリーフ陣は守護神・
益田直也の安定感に若干の不安があり、新外国人のジミー・
コルデロも来日の時点で期待されたほどの働きを現時点で見せていないが、それでも台頭した
鈴木昭汰が防御率0点台。
横山陸人、
国吉佑樹も防御率1点台と奮闘しており、何とかなっている。
野手の補強は
菅野剛士が支配下復帰した以外、今年開幕後は特に動きがなかった。決して打線が万全ということではないが、昨年や今季序盤に比べると「投手は抑えたのに、打線が打てなくて敗れた」という試合は比較的減っている印象だ。以前よりも打線がつながり、チャンスの場面での「あと1本」も出るようになってきた。個人を見ても捕手の
佐藤都志也、復帰後の
高部瑛斗がここまで打っているのは「うれしい誤算」。
DeNAから移籍した大砲N.ソトもパ・リーグの打点ランキングをリードするほど打っており、期待を裏切らない活躍を見せている。昨年の本塁打王G.ポランコも調子を上げており、DHではなく外野で起用されても、守備はそこまで壊滅的ではないことも判明。現状の「穴」は三塁だが、
中村奨吾と
安田尚憲の併用で何とかなるだろう。安田、
山口航輝あたりはもうワンランク上の突き抜けた活躍を期待されながら現状は殻を破りきれていないが、それが気にならないところが、現在のマリーンズ打線の「うれしい誤算」である。
<M担が選ぶ>終盤戦の注目選手 佐々木朗希
投げさえすれば…… コンディション不良のために6月8日から8月1日まで2カ月近く先発マウンドから離れていたが、登板さえすれば実力は群を抜いている。今季先発した10試合は平均6.5イニング、平均失点1.7。先発すれば「6回1~2失点」が確実なのだから、高確率で勝ちを拾える。(お)
千葉ロッテマリーンズ 2024メンバー表
【監督】
21
吉井理人 【一軍コーチ】
70
福浦和也、84
黒木知宏、82
小野晋吾、71
村田修一、73
金澤岳、88
金子誠、87
根元俊一、80
大塚明、90
光山英和 【二軍監督】
86
サブロー 【二軍コーチ】
85
大谷智久、78
大隣憲司、75
堀幸一、77
栗原健太、76
江村直也、72
三木亮、83
諸積兼司、81
伊志嶺翔大、79
松永昂大 【投手】
11
澤村拓一、◎12石川歩、14小島和哉、15美馬学、16種市篤暉、17佐々木朗希、18
二木康太、19唐川侑己、20
東條大樹、24
東妻勇輔、28
菊地吏玖、29西野勇士、30
廣畑敦也、31
大谷輝龍、33
八木彬、34
高野脩汰、35
田中晴也、36
坂本光士郎、37
小野郁、40
西村天裕、○41カイケル、42C.C.メルセデス、43
秋山正雲、46
岩下大輝、47鈴木昭汰、48
中村稔弥、49
本前郁也、52益田直也、53
木村優人、56
中森俊介、◎58
河村説人、59
早坂響、60横山陸人、62
森遼大朗、66
澤田圭佑、69コルデロ、◎91
二保旭、92国吉佑樹、◎93
吉田凌 【捕手】
2
松川虎生、27
田村龍弘、32佐藤都志也、45
植田将太、55
柿沼友哉、65
寺地隆成 【内野手】
00
池田来翔、4
友杉篤輝、5安田尚憲、7
藤岡裕大、8中村奨吾、10
上田希由翔、13
平沢大河、39
大下誠一郎、44
井上晴哉、57
小川龍成、67
茶谷健太、68
金田優太、99ソト
【外野手】
0
荻野貴司、1
藤原恭大、3
角中勝也、22ポランコ、23
石川慎吾、25
岡大海、38高部瑛斗、50
愛斗、51山口航輝、61
山本大斗、63
和田康士朗、◎64菅野剛士
【移籍】なし
【退団】41ダイクストラ 64フェルナンデス