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それ行けカープ 勝利の雄叫びを上げろ!

<カープ頂の記憶>広島・鉄人MVPで4年ぶりの頂点 阿南&山本監督でリーグ制覇【1984/1986/1991】

 

原爆投下によって焦土と化した広島の地に1949年、復興のシンボルとして「広島カープ」が誕生した。プロ野球で唯一の市民球団は長い苦難の時期を経て、1975年についに初優勝を遂げ、広島の街は歓喜と涙に包まれた。あれから、およそ半世紀。プロ野球誕生90年を迎えるまで、優勝は9回。そのすべてのシーズンを振り返る。
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抑えで活躍した小林誠も選手たちの手で胴上げされた


古葉カープの集大成


 2連覇を飾り、黄金時代を築くと思われた広島だが、江夏豊の放出が裏目となってか3年連続のV逸。1984年は古葉竹識監督にとって10年目、まさに背水の陣で迎えたシーズンだった。しかし開幕3戦目から一気の12連勝で波に乗った。5月からは中日の追い上げもあり、首位を奪われて前半戦は2位ターン。それでも9月には背番号0を着けた長嶋清幸巨人戦で2試合連続サヨナラ弾を放つなど勢いを増し、4年ぶりの優勝を果たした。

 この年は四番に座る山本浩二と並ぶもう一人の雄・衣笠祥雄の活躍が際立った。プロ20年目にして初の3割をマークし(.329)、31本塁打に102打点で打点王に輝いてMVPを獲得。山本は健在、山崎隆造高橋慶彦の一、二番コンビが塁上をかき回し、ルーキーの小早川毅彦も新人王を手にしたが、打線以上に頼りになったのはチーム防御率3.37の投手陣だった。勝ち頭は山根和夫で16勝、北別府学が13勝、大野豊が10勝、川口和久が8勝、そして抑えにはこの年に西武から戻ってきた小林誠二が途中から君臨し、魔球パームボールを武器に11勝9セーブを挙げた。

 日本シリーズは9年前に完敗に終わった阪急に華麗なるリベンジ。オフには・・・

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