原爆投下によって焦土と化した広島の地に1949年、復興のシンボルとして「広島カープ」が誕生した。プロ野球で唯一の市民球団は長い苦難の時期を経て、1975年についに初優勝を遂げ、広島の街は歓喜と涙に包まれた。あれから、およそ半世紀。プロ野球誕生90年を迎えるまで、優勝は9回。そのすべてのシーズンを振り返る。 【1975/1979/1980】はこちら 【1984/1986/1991】はこちら マツダ広島に移転後で初優勝。2位に大差をつけての独走V
四半世紀ぶりの頂点
1991年を最後に優勝から長く遠ざかることになった要因として、93年に導入されたFA制度と逆指名制度があった。資金力が乏しい市民球団にとっては苦しい制度であり、FA制を行使して移籍する選手はいても、獲得する選手はゼロ。FA制で
川口和久、
江藤智、
金本知憲、
新井貴浩らが去った。メジャー挑戦の機運も高まり、海外FAで
黒田博樹、
高橋建、ポスティングシステムで
前田健太らエース格を失った。豊富な資金力と破格の条件で有力新人を獲得することもままならなかった。
98年から2012年まで15年連続のBクラス。そんな逆風の時代を耐え抜き、独自のチーム編成と地道な育成が実を結んだのが、四半世紀ぶりとなった16年の優勝、そこからの3連覇だった。
16年は
緒方孝市監督の2年目のシーズン。前年、ドジャースから黒田が、
阪神から新井とかつての投打の柱だった2人が復帰。それでも・・・
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