盗塁を成功させるために、さまざまな研究やトレーニングを重ねてきた大谷。それをサポートしてきた現場のコーチに話を聞いた。ドジャースのマカラー一塁ベースコーチが、この1年間の取り組みと59盗塁、そして90%を超える成功率を残すために行った共同作業について語ってくれた。 取材・文=奥田秀樹 写真=Getty Images キャンプで走力アップのトレーニングをし、シーズンでは相手のクセなどを徹底的に分析したことで59の盗塁を成功させた
ベースランニングを重視
ドジャースのクレイトン・マカラー一塁ベースコーチ(44歳)は、
大谷翔平が一塁に出塁した際、ヘルメット同士で「ヘッド・
バンプ」をすることで日本の野球ファンの間でもすっかりおなじみ。仕事熱心で、気さく。連日試合開始5時間前にはフィールドに出て、
ムーキー・ベッツらの守備の個人練習の相手をし、汗を流す。
遠征中だと、クラブハウスで大谷翔平とタ
ブレットを見ながら話し合う姿を見かける。元はインディアンスのドラフト22巡指名捕手。2005年までマイナーでプレーしたが盗塁は3個成功、2度失敗だ。現役引退後、26歳でブルージェイズ傘下のマイナーチームの監督に就任、7シーズン務めた。その後ドジャースのマイナー・リーグのフィールドコーディネーターとなり、21年にメジャーでの一塁ベースコーチのポストを得た。
現役時代盗塁の名手ではなかったが、データを調べ、映像をチェックし、勉強して選手の盗塁を助ける。驚くべき成果を出したのは23年。ブレーブス時代は12年間で2ケタ盗塁は1度だけ(10個)、3個以下が5シーズンと走らなかった
フレディ・フリーマンがマカラーコーチとの二人三脚で、33歳にして豹変、23度の成功、1度失敗、95.8%の成功率をマークした。そして24年は大谷とのコンビで59度の成功、4度の失敗、93.7%の成功率。前人未到の「50-50」につなげた。
フリーマンは特に俊足ではない。それでも昨季は積極的に盗塁に取り組んだのだ。理由は・・・
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