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新庄監督、勝負の4年目―― 9年ぶりVへの船出

日本ハム・福谷浩司インタビュー 34歳、決断と挑戦「FAで来ましたけど、気持ちは戦力外になって拾っていただいたというほうが近い」

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ドラフトを除き、例年に比べて、戦力補強が少なかった今オフの日本ハム。そんな中、新戦力として最も注目を浴びるのが、中日から国内FA移籍で加入した13年目右腕だ。新天地に活躍の場を求めた、ベテラン投手の決断の背景にある思いとは。
取材・構成=佐野知香 写真=高原由佳

日本ハム・福谷浩司


コロナ禍での意識の変化


 2025年シーズンは、新たな環境でスタートした。ユニフォームの色は「ドラゴンズブルー」から「ファイターズブルー」へ。背番号も慣れ親しんだ「24」から「41」に変更となった。自らの意思でプロ入りから12年間過ごした地元・愛知を飛び出し、北の大地でプレーすることを選んだ。

──新天地でスタートを切りましたが、現在の調子はいかがですか。

福谷 とりあえずケガなく、痛みなく、ここまで来られているのは順調かなと思います。勝手はもちろん違いますし、球場の雰囲気とかも全然違うんですけど、やっていることは野球なので。そこの変わりはないので、慣れるのも思ったより早かったかなという感じはします。

──キャンプのテーマは。

福谷 今年はチームが変わり、環境も人も変わっている中なので一度、これまでの経験をゼロに戻して、ファイターズのやり方、考え方、そういったものをまず吸収する、素直に受け入れることをテーマにしています。提供されたメニューにしっかり集中して取り組むことを意識していて、その点でも順調です。

──オフには初めてプエルトリコのウインターリーグに参加されましたが、その経験が生きていますか。

福谷 親睦を深めるために、よく言われるのは食事会などがありますよね。でも、練習でも試合でも、一緒にプレーするというのが僕らにとって一番のコミュニケーションだし、野球のプレーというのは、すごく人間性が出ると個人的には思っているんです。この子はこういう性格なのかなとか、しゃべらなくても分かっちゃう部分がある。それはプエルトリコでの経験が大きかった。言葉が分からなくても、野球の試合をしていく中ですごく仲良くなったり、自分という人間を知ってもらったり。そんな経験があったので、今回の移籍も前向きに過ごせています。

──FA移籍を考えたからこそ、不慣れな海外でのプレーを思い立ったのですか。

福谷 いえ、プエルトリコ行きを決めた時点ではFAを申請することも決めていなかったし、来年もドラゴンズでプレーするという前提でその当時はいました。だから、それは思わぬ副産物ですね。

──では、本当に移籍を意識し始めたのはいつごろでしたか。

福谷 実際に他チームから獲得の意思をいただいてからですね。オファーいただいた時点でも、どういうふうに自分を見てくれているのかというのが一番気になったところで、「よし出るぞ」というつもりは正直、なかった。本当に出ると決めたのは・・・

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