新たな戦力の加入が、チームを活性化させている。投打の注目選手をピックアップ。まずは投手補強の目玉である。ソフトバンクからFAし、ロッテ移籍を決断した右腕はどのような思いで、新天地での1年目シーズンを迎えようとしているのか。 取材・構成=落合修一(取材日:3月7日) 
石垣キャンプでは、テーマを持った内容の濃いブルペン投球が見られた。口で何かを発信するよりも、プレーや練習態度で、チームメートからの信頼関係を築いていきたいという[写真=大賀章好]
自ら求めた環境の変化
昨年12月のFA入団会見では「しっかりと自覚と責任を持って準備して戦いに備えたい」と抱負を語った。最多勝のタイトルの獲得経験もある頼れる右腕の加入は、必ずチームにプラスの効果をもたらすはずだ。 ──まずはソフトバンクからFA宣言して、最終的にロッテ移籍を選んだ理由を教えていただけますか。
石川 最初から「ロッテがいい」というのがあったのではなく、いろいろとお話を聞いた中で、関東地方という条件も自分にとって大事でしたし、セ・リーグよりもパ・リーグのほうがいいんじゃないかなという気持ちがあったのと、話していく中で環境面、食事面やウエート・トレーニングなども自分にとってやりやすい環境だと分かったので、そういうことから総合的にロッテを選びました。ホークスもいい環境でしたが、これからの人生を考えると1つのチームで終わるより、違う環境でやるのもいいかなと。例えば、メジャー・リーグでプレーした経験のある選手に話を聞くと、異なった経験ができたのは財産になっているそうなので。
──交渉の席で
吉井理人監督から直接誘われたのも決め手になったとか。
石川 吉井さんがソフトバンクのコーチをしていたこともあったのですが(2015年)、そのときの僕は二軍だったので特に接点はなかったのです。それでも吉井さんがいろいろな経験をして、本を出したのを読んだりして、こういう方向を目指しているのなら一緒にやりたいなと思うようになりました。ロッテを選んだ理由は、吉井さんの存在も大きかったですね。
──ホークス時代、マリーンズはどういうチームに見えていましたか。
石川 やっぱり、苦しめられたイメージが強かったです。ここぞというところでやられたりして、相性が悪い。チームとしての戦い方に「いやらしさ」を感じていましたね。選手が適材適所と言うか、それぞれの役割を果たしていました。長打を打つ打者、小技で走者を進める打者など、役割分担がしっかりしているので1点差のゲームで競り負けるイメージがありましたね。
──実際にマリーンズに入って、チームの雰囲気はいかがですか。
石川 やりやすいです。当たり前ですけど、一人ひとりの意識が高い集団であるので自分を高めながら切磋琢磨できる環境で、いいチームに入ったなと。同じ先発要員の小島(
小島和哉)、種市(
種市篤暉)なんかとはよく話します。彼らの野球に取り組む姿勢は素晴らしく、それぞれが自分をしっかりと持っています。シーズンが始まってもお互いに励まし合いながら戦っていければいいですし、自分も結果を出して「頑張っていきましょう」という雰囲気を出せるようにしたいですね。「しっかりやろうぜ」と発言するのではなく、姿を見せることによって自分も良い影響を与えられる選手でありたいです。
──チーム事情としては昨年投げた先発投手が複数抜け、今年はローテーション再編成となっています、その状況にうまくハマっていくんだという思いはありますか。
石川 そのために呼ばれたのだと思います。そのつもりでやりますし・・・
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