かつて神宮の杜で汗を流したあのころ――。プロ野球12球団現役選手、コーチが東京六大学で過ごした青春の日々を振り返る。勝利の歓喜、敗北の悔しさ、仲間との絆。夢を追ったあの時間は今も色あせない。長くて短い4年間が今よみがえる。 写真=BBM 【明大・法大】はこちらから 慶應義塾大学 野球部創部:1888年
福谷浩司[日本ハム/投手] 
愛知・横須賀高出身 2009-12年在籍
僕が大学2年生時の秋のリーグ戦、早大との50年ぶりの優勝決定戦は伝統の重さや深さを感じた試合でした。当時、
斎藤佑樹(元日本ハム)さんがいらっしゃった最後のシーズンで神宮球場にも立ち見が出るぐらいの人が入ったんです。ほとんどの人がやっぱり斎藤さんを応援しているんじゃないかっていうぐらい、すごくアウェー感を感じましたし、すげえなって思って言葉が出なかったですね。
そういう試合を大学生で経験できたのは衝撃的でした。登板したんですが、投げた記憶がないんですよね。結果的には大敗(5対10)で終わってしまったんですけど、負けた悔しさ以上に学生野球ならではの伝統を感じる素晴らしい中で野球をやらせてもらったことは今でも忘れないです。
大学時代の成績 【タイトル】最優秀防御率(11年春)、ベストナイン(10年秋)
【リーグ戦通算】63試合、9勝5敗、防御率1.80
木澤尚文[ヤクルト/投手] 
慶應義塾高出身 2017-20年在籍
東京六大学の早慶戦にあこがれて慶應義塾高を選びましたし、伝統のあるものだと理解していたつもりでしたが、大学に進んだら、これだけの人が裏で動いてくれていたんだということを知りました。試合の前週から応援指導部の人たちがいろいろな準備をしてくれたり、キャンパスで「早慶戦に来てください」と働きかけをしてくれたり、早慶戦に行くだけで出席になる授業もあったり。
いい意味で時代錯誤なのかもしれませんが、それぐらい勝敗以上の伝統、先輩方によって積み重ねてきたものがあって、僕らも積み上げていかないといけない雰囲気がありました。プロ野球のほうがプレッシャーはありますけど、早慶戦のような雰囲気はもう味わえないのかなと。勝敗以上に得るものが大きかった4年間でした。
大学時代の成績 【リーグ戦通算】23試合、7勝2敗、防御率2.98
萩尾匡也[巨人/外野手] 高いレベルの競争、野球を経験することができたのがよかったなと思います。2年までは・・・
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