入団2年目、天覧試合でのサヨナラ本塁打など、ファンの印象に残る活躍が目立った。後世に語り継がれる「記憶」だけでなく、歴代でも屈指の「記録」の持ち主でもある。ここではレギュラーシーズンのみならず、日本シリーズも含めた数字を振り返る。 主な日本シリーズ歴代最多記録 91安打 41長打 14二塁打 66打点 MVP4度 打率.343 通算投手別対戦成績
得意投手 100打数以上対戦した投手の中で、長嶋茂雄が最も得意としていた投手は、
権藤博。対戦打率の高さに加え、38安打中19本が長打という数字を残している。4位には、通算320勝、
阪神のエースとして活躍した
小山正明がランクイン。打数は5番目に多い186でありながら、三振数はわずか9個。これは100打数以上対戦したなかでも5番目に少ない数字だ。また、14本塁打は全体の3位タイ。伝統の一戦で、阪神ファンにとっては脅威の存在だった。
■得意投手(100打数以上) ※球団は対戦時の最終所属 不得意投手 長嶋茂雄を唯一、打率1割台(.193)に抑えたのが、
平松政次だ。三振数も3位の33個と苦手意識があったのだろう。2位には、
星野仙一がランクイン。闘志むき出しの投球スタイルで、特に
巨人戦には並々ならぬ思いで投げていた。4、5位には、
外木場義郎、
安仁屋宗八と
広島の100勝コンビが入っている。球団別打率では、広島(.295)は阪神(.294)に次いで低いため、外木場、安仁屋からもコンスタントに打っていれば、広島戦の打率3割を超えていたかもしれない。
■不得意投手(100打数以上) ※球団は対戦時の最終所属 本塁打 最も多く本塁打を打った投手は、阪神・
村山実だ。村山とは、1959年の天覧試合でサヨナラ本塁打、安打数でも1位と相性の良さが際立つ。2位の国鉄・
金田正一は、デビュー戦で4三振のイメージが強いが、打率.313と通算では得意な部類に入った。3位タイで
江夏豊がランクイン。三振数54は堂々の1位で、本塁打か三振の手に汗握る力勝負でファンを魅了。本塁打上位5人のうち4人が200勝を挙げた名球会投手からという点でも、好投手に対して、燃えるタイプだったと言えるだろう。
■本塁打 ※球団は対戦時の最終所属 殊勲打 数多くの名場面で決勝打を放ってきた。先制など試合を動かすタイムリーを放ったときの勝率は.765、これは長嶋茂雄が巨人在籍時の通算勝率より約2割も高い。特に、先制打を放つと、勝率.778と驚異的な数字だ。長嶋が先制打を打つことで、チームに勢いをもたらしていることが分かる。また、一打逆転の場面では、より本塁打が出ていることが分かる。通算では本塁打は約5.5安打に1本のペースだが、サヨナラ、逆転では安打の半分以上が本塁打。記憶に残る場面で何度も打ってきた長嶋らしい記録となった。
■殊勲打 日本シリーズ記録
不滅の記録 巨人のV9戦士としてチームをけん引した長嶋茂雄は、日本シリーズ出場回数は歴代5位の12回。大舞台を経験し、数々の日本シリーズ記録を所持している。なかでも今後、破られる可能性は低いとされているのが安打数、長打数、打点数の3部門だ。
まず安打数。歴代2位と4位にはV9戦士が名を連ねる。長嶋はその中でも20本以上の差をつけ、大きく水を空けている。現役最多の
柳田悠岐(
ソフトバンク)が出場7回で41本。今後、5回出場し、長嶋と出場回数が並んでも、残り50本を打つのは容易ではない。
2つ目は、長打数だ。2位の
王貞治に6本差もつけており、本塁打では、4本差もつけられて2位にいるにもかかわらず、長嶋が総合的に長打で上回っている。現役では、
今宮健太(ソフトバンク)、柳田の10本、その差は依然として大きい。
そして、最も難易度が高いのが打点数だ。これは、個人の打撃力だけでなく、チームの状況や走者の有無に大きく左右されるためである。限られたチャンスの得点圏で、長嶋は70打数26安打、打率.371、35打点という圧倒的の数字を残しており、MVP4度受賞の勝負強さの真髄を証明していると言っていい。
■主な日本シリーズの記録 ※所属は最後に出場した球団