一つの「評価」を決めたと言っていい。それだけインパクト十分だった。昨秋の明治神宮大会1回戦で大会記録を更新する10者連続三振。ゲームを支配する投球で、プロ関係者の目を奪った。151キロ左腕。最終学年も結果だけを求めていく。 取材・文=沢井史 写真=太田裕史 
愛工大名電高、立命大を通じて先輩であるDeNAの左腕・東にあこがれる。大学日本代表も経験しており、同じルートからドラフト1位を目指していく
ネット裏は絶賛の嵐
昨秋の関西学生リーグ戦の最終節・同大2回戦は延長10回の激戦の末、立命大が4対3でサヨナラ勝ちし12季ぶり40度目のリーグ優勝を決めた。
有馬伽久は同点の9回表から2イニングを無失点。閉会式後、どこか物憂げな表情を見せる有馬がそこにいた。
「なかなか状態が上がらず、体のバランスとかを気にし過ぎてしまって、思うようなピッチングができませんでした」
昨秋のリーグ戦は全5カードの初戦目に先発し、3勝2敗。シーズン序盤は不調だった。関大との開幕節は7回2失点で勝敗がつかず、2節目の近大戦は7回途中6失点、4節目の関学大戦は8回途中5失点で、いずれも黒星を喫した。京大2回戦で初勝利を挙げ、最終節の同大戦は1回戦、そして冒頭の2回戦で3勝目を挙げ、終盤に主戦投手の存在感を見せた。だが、本人は納得できる内容ではなかった。
「調子が悪いことは今まで何度もありましたけれど、1シーズン通して調子の悪い期間があそこまで長かったのは、野球人生で初めてでした」
リーグ戦後に行われた明治神宮大会出場をかけた関西代表決定戦。有馬は京産大との1回戦で先発も、3回4安打3失点で敗戦投手。あとがなくなった大産大との第2代表決定戦1回戦を勝ち上がると、奈良学園大との同準決勝で、有馬は6回から救援し、4回1安打無失点。10奪三振と、浮上のきっかけをつかんだ。立命大は京産大との代表決定戦(有馬の登板なし)を制し、本大会出場を決めている。
有馬は明治神宮大会で別人となった。東農大北海道オホーツクとの1回戦では、6回から救援し先頭打者から10者連続奪三振。53年ぶりに大会記録を更新した。ネット裏のNPBスカウトは絶賛の嵐。DeNA・八馬幹典スカウトは「真っすぐもスライダーもツーシームもいい。こんな投球はなかなか見られない。スーパーだね」と声を弾ませた。東農大オホーツク・三垣勝巳監督によると、網走市にある同校のグラウンドでは10月末から低温で屋外での打撃練習ができず、生きた球を見たのが久しぶりだった。とはいえ、10者連続三振とは、容易なことではない。
「リーグ戦は悪かったので、神宮でやり返したいというのはありました。緊張感がある中でしたが、自分の持っている力を最大限に出せた試合でした」
レジェンド2人から助言
驚愕(きょうがく)の三振奪取の要因となったのは「準備」だったと有馬は明かす。
「関西代表決定戦の1回戦後、メンタル面というか、試合に対する考え方を長谷川さんに教わりました。それを徹底することで、投げる意識が変わりました」
立命大OB・
長谷川滋利氏(元
オリックスほか)からの助言が・・・
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