横浜で過ごした2年間は、かけがえのない時間だった。DeNAで先発としての自信をつかみ、日本シリーズ制覇にも貢献。今季からホワイトソックスと2年契約を結び、メジャーの舞台へ戻ったケイ。日本で得た経験、横浜への思い、そして新たな挑戦への決意を語った。アメリカ復帰1年目でも問題なく順調に調整を続けるケイ。横浜で得たものをすべてぶつけるつもりだ。 文=樋口浩一 写真=樋口浩一、Getty Images 
昨年から使用していたカタカナで「ケイ」と入ったグラブを手に
日本は最高の経験
――ホワイトソックスと2年総額1200万ドルの契約を結んでアメリカに戻ってきました。いまの心境はどうですか?
ケイ とてもいい気分だよ。ホワイトソックスの選手たちと一緒にいて、お互いのことを知ると、ますます居心地が良くなっていく。今のところ、すべてがいい方向に進んできているね。僕も自信がついてきている。メジャーのスプリングトレーニングでみんなと切磋琢磨するのは、日本時代とはまた違って楽しいよ。
――日本では1年目の2024年にチーム26年ぶりの日本シリーズ制覇。その日本シリーズでは第4戦に先発して7回を無失点で勝利投手と、大いに貢献しました。
ケイ 最高の経験だったね。日本シリーズに限らず、横浜スタジアムの雰囲気はすごかったし、とても気に入っていたよ。僕に対してファンのみんなはとてもよくしてくれたし、チームも大切に扱ってくれた。忘れられない、楽しい2年間だった。それにヨコハマの街も申し分なくて大好きになったよ。僕も妻もおしゃれな街を満喫したよ。
――1年目のレギュラーシーズンでは6勝9敗で防御率3.42。136回2/3で53与四球と安定感を欠きましたが、2年目は9勝6敗、防御率1.74。155回で41四球と大きく成績を向上させました。日本で得たものはなんでしょうか。
ケイ 自信を深めることができたということだね。日本に行った最大の成果は、先発投手として自信を身につけたことだった。アメリカではもともと先発だったけれど、メジャーに昇格してからは、リリーフでの登板が中心(メジャー通算44試合登板のうち、先発は7試合。メジャー1年目のブルージェイズ時代の20年に2試合と、翌21年の5試合のみ。22年と23年はブルージェイズとカブス、メッツで計17試合登板したが、すべて救援)だった。マイナーでも22、23年の2年間で先発は5試合だけだった。そんな僕に対してもDeNAは先発の機会を与えてくれて、本当に感謝している。それをものにすることができて良かったよ。
――日本で身につけた変化球は何かありますか。
ケイ シンカーだね。長いイニングを投げなくてはいけない先発をするに当たって、有効な変化球だったよ。
■NPB2年間のシーズン別球種構成 1年間投げ抜く
――アメリカに戻ってきて、ボールが違うと言われますが、すぐ適応できたのでしょうか。
ケイ 確かにボールは少し違うと思う。日本では日本のボールに慣れなければいけなかったし、今度はアメリカのボールに再び慣れないといけない。まぁ、ここから自分がどうやってメジャー球に慣れていくか楽しみでもあるよ。
――今季は元
ヤクルトの
村上宗隆とチームメートになりましたね。
ケイ 彼のプレーがすぐそばでずっと見られるなんて、とても楽しい年になりそうだよ。
――村上選手はメジャーで成功できると思いますか?
ケイ 間違いなく成功するだろうね。彼はパワーがあって、とてもいい打者だ。日本で発揮していた力を出すことができれば、メジャーでも十分に通用するはずだと思うよ。
――日本での2年間で村上選手の印象はいかがですか。
ケイ 彼とは日本で何度も何度も対戦したよ(24年は18度対戦して14打数6安打。昨季は一度だけ顔を合わせて1打数無安打)。幸いなことに、本塁打は打たれなかったけど、とにかく、彼がすごい打者であることは間違いないから、同じチームにいてくれることはうれしいね。
――3月2日にはオープン戦2度目の登板で、カブスの
今永昇太投手と投げ合い2回2/3を1失点で勝利投手となりました(今永は2回2/3を3失点で敗戦投手に)。今永投手とはDeNAでは入れ替わりでしたが、彼の投球を見たことがありますか?
ケイ テレビや動画ではよく見ていたよ。昨年は東京ドームで行われたドジャースとの開幕戦も見に行ったんだ。ただ、ダッグアウトから間近に見たのは今回が初めてだったね。
――今永投手は「ケイ投手と面識はないけど、素晴らしい投球をしているのを動画で見ていた。スライダーが切れるしカットボールも良く、真っすぐも速い。参考にしている投手」と言っていました。ケイ投手は今永投手についてどう思っていますか?
ケイ 彼はメジャーでとても成功している投手。だから彼から学ぶことはたくさんある。彼がアメリカに来てメジャーにうまく適応できたことは、日本の野球の評価をよりいっそう上げたと思うよ。
――今季、ケイ投手が着ける背番号『18』ですが、これには理由があるのでしょうか。
ケイ コネチカット大時代に着けていた、愛着のある番号なんだ。
――日本では18番というと、エースナンバーとされています。今永投手もそうですし、DeNAの
三浦大輔前監督も現役時代に着けていました。
ケイ そう聞くと光栄だね!
――最後に今季の目標を教えてください。
ケイ チームは先発の一角として期待してくれているから、まずは故障なくシーズン通して投げ抜くことだね。もちろんチームがいい成績を残すことができたら最高だけど、まずは自分自身にできることに全力を注ぎたい。それは故障しないで、シーズンの最初から最後までしっかり先発ローテーションを守ることだと思っているよ。

アメリカ復帰1年目でも問題なく順調に調整を続けるケイ。横浜で得たものをすべてぶつけるつもりだ
PROFILE あんそにー・けい●1995年3月21日生まれ。左投左打。183cm102kg。米国ニューヨーク州出身。コネチカット大-メッツ16[1]-ブルージェイズ19途-カブス23-メッツ23途-DeNA24-ホワイトソックス26。