甲子園とは、人を成長させる場だ。1試合で、人生を変えることもある。勝利をつかむことはできなかったが、聖地での投球は投手として脱皮する時間だった。 取材・文=沢井史 
大垣日大高との1回戦。9回まで無失点に抑え、公式戦で初という無四球の力投でタイブレークへと持ち込んだ[写真=毛受亮介]
課題の制球力を解消
最速148キロの真っすぐを武器とする本格派右腕は、自身初の甲子園となった大垣日大高(岐阜)との1回戦に先発し、9回6安打無失点。0対0のまま延長タイブレークに入り、10回表に2失点し、イニング途中で降板。1対2で惜敗した。
「(初回の)先頭打者にいきなり三塁打を打たれましたけれど、バックが守ってくれてゼロに抑えられたのでいけると思いました。最後まで低めにしっかりコントロールできていたのは良かったです」
センバツ直前の練習試合では打たれる場面が目立ち、不安を抱えたまま初戦を迎えたという。宿舎入りしてからもフォームを再確認し、下半身を意識して投げることで徐々に不安は解消した。
「(宿舎入り後も)練習からフォームを作ってきて、最近ようやく固まってきたので、あとは本番でやるだけという気持ちでした。甲子園のマウンドはすごく投げやすくて、初回を抑えて投げていくうちに、行けるなという手応えもありました。スタンドのみんなが応援してくれたのも力になりました」
中学時代からストレートは140キロをマークしていたが、主に外野手としてプレーし、投手経験はほとんどなかった。高校から本格的に投手の練習を始め、1年秋にエースナンバーを着けて初めてベンチ入り。県大会でストレートが148キロを計測し、評判が一気に広まった。だが、課題だったのはコントロール。先発して5回まで完璧に抑えても、6回に突如乱れることもしばしば。昨秋の県大会では続けて四球を与えて満塁のピンチをつくり痛打されたこともあり・・・
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