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2026ドラフト特集【甲子園不出場組の逸材】

高岡第一高・前田侑大(投手) 小さな大エースへの道「チームから信頼されるピッチャーになることが目標です」

 

センバツ高校野球大会が終われば、各高校では新学期が始まり、いよいよ夏へ向けた取り組みも本格化。3年生球児にとって、甲子園出場を目指すラストチャンス。卒業後の進路に向けても、大事な時期を迎えようとしている。
取材・文=沢井史

肩関節に柔軟性があり、ボールの出どころが見づらいのが最大の武器である。実戦での最速は147キロで、相手打者としては、変化球との見極めが難しくなる[写真=小河原友信]


投手キャリアは高校入学後


 インパクトを与えたのは、昨秋の富山県大会だ。高岡龍谷高との3回戦で、自己最速147キロを計測し、注目を集めた。富山2位で出場した北信越大会では、長野日大高との1回戦で10安打を浴びながら、9奪三振で4失点完投勝利。日本文理高(新潟)との準々決勝では連投の影響があってか11安打8失点(自責点5)で敗退したが、191球を投げ切るタフさも見せた。

 173cmと小柄ながら、備えるエンジンの大きさは無限大である。中学までは投手としてのキャリアはなく、当時の背番号は「3」だった。同校OBでNTT西日本野球部の監督を務めた経歴を持つ村本忠秀監督は言う。

「中学時代のチームはそこまで強くはなく、チームには、そもそも別にエースがいたんです。前田は投手も兼任していましたが、腰を痛めたりして、試合で投げる機会が少なかったんです。ただ、当時の公式戦で見た前田は、腕の振りが柔らかくて『好投手』という印象を受けました」

 高岡商高一家で育った。父・孝一さんは92年夏の甲子園に出場した経験を持ち、1歳上の兄・悠大さんも高岡商高で外野手だった。兄の影響で野球を始め、その背中を追いかけてきた前田も、家族と同じ高岡商高に進む選択肢があった。だが、兄から「同じチームではなく、敵として対戦したい」と言われ、家族で唯一、市内のライバル校である私学の高岡第一高へ進んだ。

 1年夏にベンチ入りし、魚津高との3回戦で先発マウンドに立った。2回1失点。「上級生に混ざっても、そん色ないボールを投げていた」と村本監督。以降、練習試合でも経験を積ませ、下級生時から投手陣の柱の一角を担ってきた。前田の長所をこう述べる。

「前田の良さは・・・

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