2016年、日本ハムが日本一へと突き進む裏で、長年チームを支えた左腕が現役引退を決めた。「俺のために優勝しろ」「日本一になれ」――率直な言葉でチームを鼓舞した胸中とは。 取材・文=岡田浩人 写真=高原由佳、岡田浩人(インタビュー)、BBM 
2016年をもって現役引退した武田氏[右から2番目]。引退試合の一幕からも、そのキャラクターがにじみ出る
「優勝しろ」の真相
「10年たった今でも“美談”にされていることに、正直申し訳ないというか、照れるというか、あれは自分のためにやったのですから」
昨季からファーム参加チーム・オイシックス新潟アルビレックスBCで監督を務める
武田勝氏は笑顔でそう切り出した。北海道のファンから愛されたその“キャラクター”は新潟に来てからも変わらない。旺盛なサービス精神、飄々としながらもユーモアを忘れない語り口、そして真摯に野球に向き合う姿……引退から10年がたったが、細身の体形も柔らかい人柄も変わらない印象だ。
「プロ11年目のあの年は初めて一軍出場がないままシーズン終盤を迎えました。夏ごろ、球団のフロントから『将来は球団に残ってほしい』と告げられ、引退を決めました。あの年のファイターズは
西川遥輝や
近藤健介らの若手が成長して、投手も
増井浩俊が抑えから先発に転向して結果を残すなど投打にバランスが取れ、チームに勢いがありました。何より翔平(
大谷翔平)が2ケタ勝利、2ケタ本塁打を達成する中心選手に育っていました」
自らの背番号「38」にあやかり、「38歳まで現役を続けたいと思っていた」という武田氏は7月にその年齢になっていた。
9月23日、札幌ドームで・・・
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