下世話な話だが、世界的なトップアスリートである大谷翔平は、稼ぐお金もケタ違い。米経済誌『フォーブス』によると、2026年の収入は1億2700万ドル(約203億2000万円)で、2位のコディ・ベリンジャー(ヤンキース)に倍以上の大差をつけ、野球選手として断トツ。驚くべき点は野球での収入(年俸)はほかの高収入選手の5%程度なのに、野球外での収入額が圧倒的であること。これは大部分が日本企業からの広告収入と思われる。ここで、日本を代表する大手広告代理店で長年勤務していた音楽評論家のスージー鈴木氏に、「大谷翔平と広告」について寄稿してもらった。 寄稿=スージー鈴木(音楽評論家/野球文化評論家) 
時計メーカーの広告の前で記念の「自撮り」をする大谷ファン[写真=Getty Images]
「22万1580秒」――2025年における大谷翔平のテレビCM(以下『大谷CM』)露出秒数である(出典:ビデオリサーチ)。1位の今田美桜に続き、綾瀬はるか、賀来賢人、鈴木亮平と来て、その次の5位の露出というからすごい。
では、数多くの大谷CMの中で、視聴者の注目度が最も高かったものは何か。日経クロストレンド(25年11月28日)の記事によれば「注視度」1位は伊藤園の「お〜いお茶『お〜いオオタニサン!』編」とのこと。お茶のボトルが「お〜いオオタニサン!」と大谷翔平に呼びかける、あのCMだというのだが。
とにかく、今や野球界の帝王と言っていい大谷翔平は、CM界においても、トップクラスの水準にいるということだ。
さて私は、
週ベで連載を持つ「野球文化評論家」だが、4年前まで、広告代理店のマーケティング系の部署に約30年勤めていた。
そんな「元広告マーケッター・スージー鈴木」の立場から見て、この不景気の中、契約料が決してお安くないはずの大谷翔平にCMオファーが集中する理由はよく分かる。
もちろん第一の理由は、その国民的知名度だろうが、加えて成績の安定性(逆に言えば、成績の上下動があることがスポーツ選手起用を忌避する最大要因)や、ゴシップとは無縁、格別に清潔なイメージが強く影響しているに違いない。私が現役なら、すべての広告主に起用を提案してみたいと思うほどだ(ただし景気のいい会社限定)。
しかし・・・
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