覇権を懸けて争った巨人が敗れ、連覇が決まってから約1時間後、選手たちの姿は広島県内のホテルにあった。王者にのみ許される至福の瞬間。3500本のビールはあっという間になくなり、「目指しているところがある」と、男たちは次の戦いの舞台へと戻っていった──。 写真=湯浅芳昭 【祝勝会】王者にのみ許される至福の宴
至福のビールかけで喜び爆発! 次は、日本一だ──。 
選手会長・村上頌樹が「もうちょいみんな打って[笑]。もうちょい点ちょうだい!」の音頭で祝勝会がスタート

藤川球児監督は「球団初の連覇の監督にしていただきました。ありがとう!」

祝勝会の終盤、今季限りで現役を退く西勇輝がナインの手によって胴上げ
【リーグ連覇会見】王者の言葉
待ちに待った瞬間をかみ締め、優勝会見に臨んだ監督と選手たち。喜びの声を会見から一部抜粋してお届けしよう。 藤川球児監督「まだ夢なんじゃないかと」 
藤川球児監督
──2年連続のセ・リーグ優勝の気持ちは。
藤川 まだ夢なんじゃないかと思いますね。史上1回もなかったことですから。それを追いかけ続けた今シーズンでしたから、終わったのかな、と。まだ信じられないです。
──シーズン最終盤での優勝。
藤川 やるべきことは昨年の就任から変わらず、選手たちの成長を見て、守り、成績を伸ばし、チームの勝利につなげるというところです。昨年が史上最速での優勝で、今シーズンも同じことをやってみて、それが正解だったか、間違いだったかというところにトライしました。ですけど、2年目になると他球団も攻略をしてくるので、同じ戦い方では二度は通用しないというところが多々出てきました。非常に苦労しましたけれど、それでも変えずにやり続けていました。
──連覇の最大の要因は。
藤川 我慢でしょうね。戦力があり、「勝って当たり前」と言われる中で、そんなはずはないし、そんな甘くはないです。だけど、その言葉の槍をみんなで受け止めずに、自分たちのやるべきことを貫く。そして、没頭するというところを、就任してから、特に佐藤(佐藤輝明)がやってくれましたから。その形が変わらず、みんながそれにどんどん乗っていった。本当に誇らしく思います。
──昨年成し得なかった日本一への思いは。
藤川 まったく考えていません。そんな余裕もないですね。このペナントレースは本当に難しい。そして、それが最も価値があると思う。今年、さらに思いました。選手たちの活躍があって、我慢があって、これまでの成長があっての今ですから。とにかく今日は選手たちと一緒に喜びたいし、スタッフの皆さん、コーチのみんなが本当に苦労をして、苦労をかけました。コーチ経験もない2年目の監督ですから、本当に支えてもらいました。労をねぎらう会を、この後みんなで楽しみたいと思います。
村上頌樹(投手)「皆さんほっとしてるんじゃないかな」 
村上頌樹
──今の気持ちは。
村上 まず、本当にみんなプレッシャーの中、戦力もあると言われている中、こうして優勝できたので、皆さん本当にほっとしてるんじゃないかなと思います。
──今季は開幕投手を任された。
村上 開幕投手に選んでいただいたので、絶対に1年間ローテーションは守り続けるという強い意志を持って臨んでました。そういうところに本当に選んでもらえるということは光栄なことですし、選んでもらった以上は絶対にいいピッチングをして返したいと思ってたので。うまくいったときもありますが、いかなかったときもあるので、それはまた来年、これからのシリーズに向けて、しっかりピッチングしていきたいと思ってます。
坂本誠志郎(捕手)「周りのみんなに恵まれた」 
坂本誠志郎
──キャプテンという重責を全うした中での連覇。
坂本 まずはほっとしてます。キャプテンとしての仕事はあまりできてないというか、何もしてないぐらい。本当に周りのみんなに恵まれて、その中で優勝したチームのキャプテンとしていさせていただける。本当にみんなに感謝の思いです。
──キャプテンに指名されどんなシーズンだったか。
坂本 何か特別なことをしないといけないという感覚は本当になかったですし、それぞれが自分のやるべきこと、やらないといけないことを理解しているチームだと思ってましたので。みんなに何かゆがみが生じたり、同じ方向を向いてないとなったときに、それをつなぎ止めるのが僕の役割だと思っていました。僕が何かしたということも本当にないと思いますし、本当にみんなに感謝しかないです。
佐藤輝明(内野手)「昨年の経験が今年は生きた」 
佐藤輝明
──四番としてチームを引っ張った。
佐藤 いろんなことありましたけど、本当に今日優勝できて、ほっとしてます。それだけです。
──どんな思いで今シーズンをスタートさせたのか。
佐藤 しっかり自分のキャリアを全うする。自分の結果に集中するというか、するべきことに集中していれば、それがチームのためになる。去年以上にそういう気持ちで今年はやってましたね。
──今シーズンは波が少なかった。
佐藤 去年いい結果が出て、ある程度、準備の仕方というか、今シーズンずっと「準備、準備」と自分は言ってきたんですけど、その準備の仕方が去年ある程度分かったので、その経験が今年は生きたんじゃないかなと思います。
森下翔太(外野手)「チーム一丸となって勝てた」 
森下翔太
──ホームラン数ではキャリアハイに。
森下 オフシーズンに自分のやるべきことを明確にしてシーズンに入るというところを常に毎年意識しながらやっているんです。キャリアハイという数字は次のステップに対するいい目標になりました。
──
阪神の強さをどう感じているか。
森下 自分が結果を残せているのも、テル(佐藤輝)さんや大山(大山悠輔)さんなど、ほかに打線を引っ張ってくれる人がいて、ピッチャー陣も安定してくれている。その裏でブルペンやベンチにいる先輩方が準備をしてくれてるおかげで、タフなゲームも勝てたと思います。チーム一丸となって勝てたことがうれしいですし、そういう今年のシーズンだったと思います。
高橋遥人(投手)「休みながらも走り切れた」 
高橋遥人
──1年間、ローテーションを守った。
高橋 今まで投げたことのない試合数、イニングを投げられてうれしい気持ちと、先発や中継ぎのみんなのおかげで、1年間、休みながらも走り切れたなという気持ちもある。みんなのおかげです。
──勝ち星が16、タイトルもついてきた。
高橋 今言ったとおり、間も取っていただいて、その間、僕の代わりに先発してくれたみんなと、リードを守ってくれた勝ちパターンの人と、いつも援護してくれる野手の方のおかげかなと思います。ここまで投げられなかった時期がずっと続いてたんですけど、その間も、今年もですけど、トレーナーさんや理学療法士の方がずっとケアしてくれたんで、それがすごい大きかったかなと思います。