今年もまた、ドラフト会議がやってきた。1965年秋からスタートし、55回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2018年の会議まで1年ごとに振り返っていく。 11年続いてきた「指名順抽選方式」に代わり、新たに「入札方式」でスタートすることになった。最大のドラマはドラフトの1日前の11月21日にあった。江川卓(作新学院高職員)が交渉期限がドラフト会議2日前までという、ルールの盲点、いわゆる「空白の1日」を使って
巨人と契約したのだ。当然、セ・リーグは江川の支配下選手登録申請を却下。怒った巨人は翌日のドラフト会議をボイコットした。
残る11球団で行われた会議では江川を南海、
ロッテ、近鉄、阪神が1位で指名し、阪神が交渉権を引き当てた。この問題はその後も二転三転し、最終的には金子鋭コミッショナーの「強い要望」が出て、江川は一度阪神と契約した後、春季キャンプ前に
小林繁とのトレードで巨人入りを果たした。
1位は参入したばかりの西武が森繁和(住友金属)、ロッテが
福間納(松下電器)とのちのリリーフのスペシャリスト2人を獲得。ほかにもドラフトをボイコットした巨人が明大の
鹿取義隆をドラフト外で獲得するなど、リリーフの当たり年ともいえる。

ロッテ1位・福間納[松下電器]
江川の法大時代の先輩でもある
高代延博(東芝)を1位指名した
日本ハムは2位で82年に20勝を挙げる
工藤幹夫(本荘高)を隠し玉的に獲得しているが、最大の隠し玉ヒット作は、ほぼ無名だったロッテの3位・
落合博満(東芝府中)だ。のち三冠王3回の怪物打者である。2位で
石嶺和彦(豊見城高)を獲得した阪急はドラフト外で
松永浩美(小倉工高中退)と、のちの中心打者2人を獲得した。

ロッテ3位・落合博満[東芝府中]
この年はボイコットした巨人だけでなく、新球団の西武もドラフト外での選手獲得に積極的に動いた。特に
松沼博久(東京ガス)、
松沼雅之(東洋大)兄弟をめぐる争奪戦は熾烈なものとなったが、予想に反し西武が勝利。1球団4人ずつ、総指名数は48人のコンパクトなドラフトの予定も巨人のボイコットでさらに減り、史上最少44人だけが指名され、ドラフト外では49人が入団した。
1978年ドラフト指名ベストオーダー 1(中)
山森雅文 2(遊) 森脇浩二
3(二) 高代延博
4(三) 落合博満
5(左) 石嶺和彦
6(一)
山川猛 7(右)
高柳秀樹 8(捕)
吉田博之 9(投・先) 工藤幹夫
(投・抑) 森繁和

・球団の記載順は、各年度の規定による選択順
・各欄上から選手名、所属、守備位置(当時)、年齢、備考の記号
・備考の記号 年齢右の無印=入団、□=シーズン途中入団、■=翌シーズン後入団、×=入団拒否し、その後もプロ入りせず、△=入団拒否し、その後の指名でプロ入り、▲=入団拒否し、その後のドラフト外でプロ入り。※=指名取り消し
・各欄選手名左側の記号 ◎数字=抽選勝ち、数字は抽選に参加した球団数 ×名前=抽選外し、名前は外した選手名 ●は抽選外れ、○は無抽選、数字の場合はウエーバーで何番目に指名されたか。
・球団名はセは巨人、阪神、中日、広島は変わらず、DeNAが大洋、横浜、ヤクルトがサンケイ、パはオリックスが阪急、ソフトバンクが南海、ダイエー、日本ハムが東映、日拓、ロッテが東京、西武が西鉄、太平洋、クラウンを含む。
・指名ベストナインは同年のドラフトで指名され、入団した選手のみ