先々週は3球団で新監督が発表されたが、先週は阪神と楽天で新監督が決まり、就任会見が行われた。阪神は生え抜きスターが、楽天は再登板という形に。ただ目指すものは1つのみだ。 ※情報はすべて10月20日現在 阪神・藤川球児新監督 実力主義で再強化へ

岡田前監督の守り勝つ野球も継承すると語った藤川新監督。会見では記者の質問に丁寧に答えた
監督&コーチの経験なしでの一軍監督就任を懸念されているが、本人は引退後も研鑽(けんさん)を積んだ自負がある。10月15日、大阪市内のホテルで
藤川球児新監督の就任会見が行われた。
岡田彰布監督の2年契約が切れ、退任となったあと、2年ぶりのリーグ優勝を託されての就任となった。
「全く僕に関係ないことですよね。僕がやることなんで。結局、自分が何をするかしか考えてないんで。(阪神に)入った以上、中のことを考えてやるだけ」
不安視されている経験について、コーチ陣と意見を交わしながら、監督としての考えをしっかり選手たちとコミュニケーションを取りながら、方向性を導いていく予定だが、その陣営構成はこれからになる。
阪神からFAでメジャーを経験後、独立リーグにも所属したことで、自分の野球人生に大きな影響を受けた。この経験により実力のある選手をしっかり起用していくことが、チーム強化につながっていくという思いがある。
現在の阪神は「3点ほど取ったらゲームをきっちり終わらせてくれるというような安定の野球」が藤川新監督の見立て。実際に投手陣を中心とした守り勝つ野球で昨年、38年ぶりの日本一に。その部分は継承しながらも、真に実力のある選手を見極め、育て上げ、さらに強い阪神をつくり上げていくつもりだ。
藤川球児新監督 就任会見一問一答 ※一部抜粋 ――監督就任が決まりました。
藤川 このチームにはビジョンがあって、もう幾数年も、実はつながってきています。その中で岡田監督が指揮を執られたこの2年間は非常に強く、それからチームも成熟してきた。僕もチームの中から外から、両方で見てきたこともあったので、この流れになったのかなと。愚直に真っすぐに仕事をしている中で、そういうものが見えてきたというところで、お受けしました。
PROFILE ふじかわ・きゅうじ●1980年7月21日生まれ(44歳)。185cm90kg。右投左打。高知県出身。高知商高-阪神99[1]-カブス13-レンジャーズ15-四国IL/高知15途-阪神16~20引、25~=20年。
楽天・三木肇新監督 継承と進化の2つを求め

1年で解任となった今江前監督のあとを受け、二軍監督から一軍監督再登板となった三木監督
来季に向けてチームが始動した10月17日、
三木肇新監督の就任会見が行われた。
「自分自身の想像をはるかに超えた決意と強い覚悟でいます」
2020年以来5年ぶりの一軍監督就任。二軍監督としてイースタン優勝やファーム日本一に導くなどの実績があり、選手の特徴を最大限に引き出すことに長けている三木監督がどんなタクトを振るのか。
ただチームに関しては「強いチームを作る」「愛されるチームを作る」とし「バッテリーを中心とした守り勝つ野球」といった内容にとどめ、具体的な目標や選手起用に関して明言を避けた。会見時点ではコーチ陣営も決まっておらず、まだビジョンは固まっていないようだ。
1年での監督交代劇に周囲の声は厳しい。さらに三木監督の契約年数は非公表。「勝ち負けも大事ですが、逆境、球際、チャンス、ピンチ、そういったいろんな面での強さを求めていきたい」と新指揮官は語ったが、土台づくりで終わっては今季の二の舞だ。育成と結果、どちらも求められる25年シーズンになる。
「現状の否定というよりはより良くするために三木監督にお願いをした」と森井誠之球団社長。継承と進化を体現し勝利への舵切りができるか。前途多難な船出ではあるが秋からのチームづくり、そしてどのように勝利に導くか、その手腕に注目だ。
三木肇新監督 就任会見一問一答 ※一部抜粋 ――2020シーズン以来の一軍監督就任となりますが、もう一度この一軍監督を引き受けることを決めた理由というのを教えてください。
三木 今年でイーグルスも20年が経ち、いろいろな方のご尽力があり進んできました。自分としては6年間このチームで仕事させていただいている中で、もし自分がチームの力に少しでもなるのであればという相当な覚悟を持って最後決めました。
みき・はじめ●1977年4月25日生まれ(47歳)。180cm75kg。右投両打。大阪府出身。上宮高-
ヤクルト96[1]~07-
日本ハム08引、09~13-ヤクルト14~18-楽天19~=29年。