開幕が目前に迫ってきた第3回プレミア12。井端弘和監督率いる侍ジャパンは大会の連覇、2019年の前回大会から21年の東京五輪、昨年のWBCに続く4大会連続での世界大会優勝を狙う。10月29日からの宮崎秋季キャンプの模様を交えながら、侍ジャパンの戦いを展望していく。 ※情報は11月3日現在 写真=Getty Images、BBM 井端弘和監督
日本野球の底力
5年ぶりに開催される第3回プレミア12で連覇を目指す侍ジャパンだったが、強化合宿前から故障による辞退者が続出し、いきなり日本野球の底力が試される状況となっている。
四番候補として期待されていたセ・リーグの本塁打、打点の2冠、
村上宗隆(
ヤクルト)は右足親指の骨折で招集されず、パ・リーグ首位打者の
近藤健介(
ソフトバンク)も右足関節捻挫で選外に。さらに井端弘和監督が代表メンバー発表会見で村上に代わる主砲として挙げていた
岡本和真(
巨人)は左第五腰椎分離症で代表辞退。今季18本塁打で右翼のレギュラーとして見込まれていた
万波中正(
日本ハム)も左肩痛で辞退と長距離砲が次々と欠ける事態に。3月の欧州代表との強化試合で正捕手格だった
山本祐大(
DeNA)も死球による右尺骨骨折で招集を見送られ、先発の柱として見込んでいた
伊藤大海(日本ハム)もコンディション不良で辞退と、バッテリーの中心も欠くことになった。
それでも、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と28年ロサンゼルス五輪を視野に入れる井端監督が胸に秘める世代交代の方針への意思は強く、パ打撃2冠の
山川穂高(ソフトバンク)やセ最多勝の
菅野智之(巨人)といった、2年後に30代中盤から後半となる選手はロースターから外された。
前回の19年プレミア12、21年の東京五輪、そして昨年のWBCと世界大会を3度連続で制した侍ジャパンの強さをいかに維持し、さらに伸ばしていくか。代表の継続性を意識した指揮官が今大会のメンバー選定に託したテーマが、明確に示されていると言える。
10月29日から宮崎県宮崎市の清武総合運動公園で始まった強化合宿には、日本シリーズに出場中だった
牧秀悟、
桑原将志、
佐野恵太、
栗原陵矢以外の24選手が集合した。
日本球界トップクラスのスラッガーだった村上と岡本を欠いた今、打線の中心となるのは23年WBCに出場し、昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)で主将役を務めた牧を置いてほかにはない。今季、23本塁打、74打点の牧には、ただ四番としてのポイントゲッターだけではなく、試合によってはチームにおける役割と同様に二、三番に座って得点圏の機会を創出する、攻撃の司令塔としての役割も期待されている。
ではほかの四番候補は誰になるのか? 強化合宿での躍動ぶりから・・・
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