
ボールとバットを手に撮影に応じる。最速153キロ、高校通算45本塁打。高い潜在能力を前面に、投手&遊撃手の活躍を誓う
大きな一歩を踏み出した。2月11日、
森井翔太郎(桐朋高)が、東京都内の同校で記者会見を行った。1月にアスレチックスとマイナー契約を結び「小さいころからの夢だったメジャーの球団と契約できることは、うれしい」と語った。契約金は推定2億円超と言われる。「将来、メジャーで活躍するためには早くアメリカに行って、生活や食事に慣れたほうが良い。難しい決断だったが、球団が丁寧に説明してくれた」。NPBを経由せず、高卒で米球界入りするのは異例だ。
「自分はあまり前例とかを考えたくないというか、考えないタイプ。自分が選んで、こういう道に進みたいという道に進もうと思っていました。異例、と言われることに関して特別感はそんなにないです」
異国の地でプレーするために、野球だけでなく、英語の勉強も継続的に取り組んできた。桐朋高は偏差値71の都内有数の進学校。「英語はもともと得意でしたが、本格的な勉強は、高校2年生の夏から。『CNN10』というアメリカの10分間のニュース番組を毎日YouTubeで字幕なしで聞きました。また、音読も毎日していた」と、アメリカでの記者会見で披露した英語力の高さを裏付けるエピソードを披露。同席した桐朋高・田中隆文監督も「自分の夢に向かって地道に努力していける選手。今の状況は、なるべくしてなったと思っています」と行動力を高く評価している。
左打席から高校通算45本塁打、右腕として最速153キロ。アスレチックスは「二刀流」として育成予定だ。過酷と言われるマイナーからのスタートにも「期待も不安も今のところはない。(そこに)ある環境でやっていくのが自分のやるべきことだと思っている」と力強く話す。続けて「野球の技術はもちろんだが、まずは、アメリカの環境とプロでの生活に慣れることが第一優先」と、地に足をつけた目標を語った。
「すぐに夢舞台に行けるわけではないが、一歩、一歩自分のやるべきことをやりたい。チーム状況などもあるが、自分の希望としては4、5年後にメジャーの舞台に立てたら」
18歳は多くの報道陣がいる中でも、堂々とした受け答えに終始した。生存競争が激しい世界で、強い意志を持って戦い抜く。
PROFILE もりい・しょうたろう●2006年12月15日生まれ。東京都出身。184cm89kg。右投左打。桐朋学園小1年時秋から住吉ビクトリーで野球を始め、2年秋からは武蔵府中リトルでプレーし、4、5年時に全国大会優勝(外野手)。6年時は住吉ビクトリーに在籍し、
西武Jr.で準優勝。桐朋中では練馬北シニアに在籍後、1年夏休みからは同校の軟式野球部でプレー。桐朋高では1年夏(背番号15)から三塁で出場し、1年秋は背番号5。2年夏の西東京大会4回戦敗退。2年秋(背番号6)は遊撃手兼投手で東京大会1回戦敗退。3年夏は西東京大会初戦(2回戦)敗退。最速153キロ。高校通算45本塁打。変化球はカーブ、スライダー。
写真=BBM