2025年週刊ベースボールの最終特集を飾るのは、日本人メジャーの動向である。どこよりも早く、26年のシーズン展望と去就予想を見ていこう。ドジャースは日本人メジャー3人の力で3連覇を成し遂げるか! それとも充実のシーズンを過ごし、チャンピオンの牙城を崩す日本人選手が出てくるのか! 注目である。 写真=Getty Images ※現地時間12月21日 【Part.1】はこちら メッツ・千賀滉大 自身メジャー初の2ケタ勝利へ
【2025年成績】 22試合7勝6敗、113.1イニング、109奪三振、WHIP1.31、防御率3.02 今オフのメッツは入れ替えが激しい状況になっている。主砲のピート・アロンソ、守護神の
エドウィン・ディアスがFAで去った。さらに千賀滉大もトレード要員の一人として名前が挙がっている。
2028年まで契約が残っており、10球団に対してトレード拒否権を持つ千賀は、残留を希望している。25年の前半戦は防御率でリーグ上位の数字を残したが、ケガで離脱し、復帰後は振るわずマイナー行きに。だからこそ26年はリベンジのシーズン。開幕から先発ローテを守り、メジャー4年目で初となる1年間先発ローテを守り、2ケタ勝利を挙げたい。
パドレス・松井裕樹 制球力向上で信頼を得る
【2025年成績】 61試合3勝1敗3H1S、63.1イニング、61奪三振、WHIP1.36、防御率3.98 2年連続60試合以上の登板を果たし、26年は5年契約3年目を迎える。だが、憧れた舞台では、思い描いたポジションでの登板ができていないのが現状だ。つまり2年間、追いかける展開や、点差が開いた状況でのチームの厳しい場面などでの登板が多かった。26年こそは、新指揮官、グレイグ・スタメン監督からの信頼を勝ち取り、勝ちパターンで多くマウンドに上がりたい。守護神の
ロベルト・スアレスが移籍したためチャンスはある。そのためには四球を少なくし無駄な失点を防ぎたいところだ。
エンゼルス・菊池雄星 タフネスエースは健在
【2025年成績】 33試合7勝11敗、178.1イニング、174奪三振、WHIP1.42、防御率3.99 日本人投手最多の33試合178回1/3を投げ、1年間先発ローテを守り続けた。まさにエンゼルスのエースと言える存在。25年に3年6300万ドルでFA加入し開幕投手を務めた。だが開幕からなかなか勝てなかった。それでもルーティンを崩すことなく1年間、最下位をひた走るチームを支えた。26年もその役割は変わらない。エースとして若手の多いチームをけん引していくことになる。24年に13勝を挙げたグレイソン・
ロドリゲスを獲得し、もう1枚の先発を獲得する可能性もある。そうなると菊池の孤軍奮闘が解消され23年以来の2ケタ勝利の可能性も高くなるはずだ。
ナショナルズ・小笠原慎之介 中継ぎで覚醒する
【2025年成績】 23試合1勝1敗1H0S、38.2イニング、30奪三振、WHIP1.55、防御率6.98 2年契約でナショナルズに移籍したが、オープン戦で実績が残せずマイナーで開幕を迎えた。7月にメジャー昇格し2試合で先発をしたが、結果が残せず、中継ぎで21試合に登板した。今オフ、チームは
巨人で活躍した同じ左の
フォスター・グリフィンと契約。先発の可能性が高く、小笠原は中継ぎ起用の可能性が大きい。その中でどれくらい存在感を見せ、勝ちパターンのリリーフができるのか、楽しみにしたい。
レッドソックス・吉田正尚 もう一度、レギュラーの座へ
【2025年成績】 55試合50安4本26点3盗、打率.266、OPS.695 25年は最後の最後にプレーオフに進出。吉田正尚も初のポストシーズンを戦った。しかも、本来の勝負強さを見せる大活躍だった。ワイルドカード・シリーズ、対
ヤンキース戦3試合を4安打で、決勝打も放つなど存在感を示した。
26年は5年契約の4年目。ケガに泣かされただけに1年間外野手、もしくはDHとしてチームに貢献したい。1年目の成績、140試合15本塁打、打率.289以上が目標となってくる。チームのレギュラークラスの外野が飽和状態。9月に打率3割をキープしたが、このときのような打撃を披露し、外野手の一角を担いたい。
オリオールズ・菅野智之 2年連続2ケタ勝利を目指す
【2025年成績】 30試合10勝10敗、157イニング、106奪三振、WHIP1.33、防御率4.64 35歳で念願のメジャーに挑戦した。オリオールズと1年契約を結び10勝(10敗)の2ケタ勝利を挙げた。だが、優勝候補にもなっていたチームが連敗を繰り返し低迷。トレードなどでチーム解体となる中で投げ続けた。33被弾はリーグワースト。今後の去就は、ほかのFA投手との兼ね合いとなる。じっくり我慢すればメジャー契約の可能性は高いが、待てなければ日本復帰の可能性もある。
パドレス・ダルビッシュ有 2026年は全休の予定
11月にトミー・ジョン手術を受けたため、2026年はリハビリに全力を尽くす。12月のイベントでは「とにかく腕をリハビリすることだけを考えている。26年は投げられない中で、どう(チームに)関われるかという話をAJ(プレラーGM)や球団としている」と投げずともチームの優勝に全力で貢献することを誓った。
ポスティングシステムでメジャーを目指す男たち2026
村上はホワイトソックスと2年契約 3人は大型契約なるか!? 今オフのFA市場で、ポスティングシステムを使用しメジャー移籍を目指す日本人選手は4人。期限ぎりぎりで契約した
ヤクルトの村上宗隆。三塁手でのFAであれば、一番の大物は、レッドソックスからFAとなった
アレックス・ブレグマンとマリナーズからFAの
エウヘニオ・スアレスだ。この2人のFAの動向が期限を待つ岡本和真の契約にも微妙に関わってくる。
村上は現地時間12月21日、ホワイトソックスと2年3400万ドル(53億7200万円)で契約した。背番号は「5」。25年のホワイトソックスは60勝102敗でア・リーグ中地区最下位。低迷が続くチームで、これからどのような改革をしていくか問われているチームだ。若手が多いチームでまずは実績を積み上げていく。
ポストシーズンを目指す球団に入団した場合、早い段階で結果を求められることが多い。だが、ホワイトソックスではプレッシャーも軽減され、自分のペースを保てる。その意味ではいい選択だったとも言える。
岡本の場合は締め切りが1月だが、ブレグマン、スアレスがどうなっているのかも大きく移籍に関わってくる。それと同時に、今オフの目玉FAでもある
カイル・タッカーの動向も大きく関わりそうだ。タッカーが決まれば、市場全体が活発に動いてくるだろう。
岡本は一塁も守れるため、例えば首位打者を3度獲得しているパドレスのルイス・アライズがFAになっているが、移籍した場合、パドレスということも考えられる。さらにブルージェイズの遊撃手、ボー・ビシェットの動向も少なからず、岡本の移籍に影響があるかもしれない。岡本も複数年で高額契約はできる見込みで、年間20本塁打以上は打てるだけの力は持っているだけに、最終判断を待つのみだ。
一方、
西武からメジャー移籍を希望する
今井達也、
高橋光成も、FA投手の動向とも大きく関わってくる。今井は、メジャー関係者の中でも注目の存在。MLBで1球も投げていないが、ドジャースの
山本由伸クラスの評価を得る可能性もある。その金額を出すとすれば、ヤンキースやカブスといううわさもある。

高橋光成、今井達也[右]
そのほかアストロズの左腕・フランバー・バルデスやフィリーズで2年連続12勝を挙げている左腕の
レンジャー・スアレス、ダイヤモンドバックスで13勝を挙げた右腕・
ザック・ギャレン、後半戦から復帰し、ワールド・シリーズでも好投したブルージェイズの右腕・シェーン・ビーバーの去就も、今井と高橋の移籍先にも大きく関わってくる。
2人とも先発ローテを任されるだけの力を持っているが、移籍したチームによって2ケタ勝利を挙げられるかどうか、決まってくる。
■ポスティングシステム最終期限 村上宗隆内野手[ヤクルト]→ホワイトソックス 2年3400万ドル
岡本和真内野手[巨人]→最終期限_1月5日
今井達也投手[西武]→最終期限_1月3日
高橋光成投手[西武]→最終期限_1月5日