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【第27回全国高校女子硬式野球選抜大会】佐久長聖高が創部4年目で初優勝の快挙! 強豪校連破の堂々たる王者

 

舞台は東京ドーム。初優勝・佐久長聖高の選手たちは喜びを爆発させた


絶対王者を準決勝で撃破


 3月20日に埼玉県加須市ほかで開幕した、第27回全国高校女子硬式野球選抜大会(以下、選抜)は、4月4日に東京ドームで決勝戦を迎え、熱戦に終止符が打たれた。昨年より2チーム増え、史上最多57チームの頂点に立ったのは、初の決勝進出を遂げた佐久長聖高だった。創部4年目にしての快挙である。

 同校は、大会3連覇中の絶対王者・神戸弘陵高を準決勝で破ると、決勝では2年連続のファイナリストであり、9年ぶりの王座奪還を狙う履正社高と激突。中盤に逆転を許し、3対4と1点を追う最終回、佐久長聖高は2連続安打などで無死満塁から内野ゴロの間に同点とし、押し出しと犠飛で大逆転。高校女子球界を代表する強豪校を連破しての、堂々たる初優勝だった。

 佐久長聖高を率いるのは、野々垣武志監督だ。2学年上に立浪和義さん、1学年上に宮本慎也さんらがいたPL学園高に在籍し、西武広島などで14年間、プロ生活を送るなど、華々しい経歴の持ち主だ。社会人女子チームの西武ライオンズ・レディースでのコーチ経験を買われて、佐久長聖高女子硬式野球部創部時に監督に就任した。

 決して自らの経験や考えを、選手たちに押し付けたりはしない。それは決勝戦でも見られた。攻撃前の円陣には加わらず、ベンチでは同じ場所に座り、にこやかな表情でジッと戦況を見つめていた。「(攻撃前に)僕があれやこれや話すと、選手たちが集中しているところに水を差すでしょう」(野々垣監督)。

不変のチャレンジャー精神


 日ごろの練習でも、細かな技術指導はしない。選手一人ひとりが今、何を考え、どうしたいのかをジッと見る。「よほどどうしようもなく困っている様子なら、選択肢を増やす意味でアドバイスをする」程度だ。指導はしなくても、全員に一日一度は声を掛けることを忘れない。「常に全選手のことは把握しています」と胸を張る。自身の野球を押しつけず、選手たちがしたい野球の中で成長へ導く方針をとってきた。

 これまで選手権大会、ユース大会含めて全国大会での最高成績はベスト8。打撃力にこだわり過ぎて勝ちきれなかった反省を生かし、新チームから小技や機動力を使う戦法に切り替えた。ユース大会1回戦で神戸弘陵高に1対0で勝利したことで「間違っていない」と確信を得た。「試合に勝つと、選手たちが喜ぶ。打ち勝つ野球にこだわるより、まずは勝つ喜び、日本一をとる方が大事」と、選手を思う気持ちが現れての選抜での優勝となった。

 今回の日本一について野々垣監督は「他校にも勇気を与えた優勝」と表現する。「どこかであきらめていた優勝を、自分たちを信じて頑張ろうと思ってもらえるきっかけになれば。闘志のぶつかり合いで戦えば、感動をもたらす試合が今まで以上に増え、女子野球がもっと良くなると思います」。もちろん、負けるつもりはない。追われる立場で迎える夏。チャレンジャー精神を持ち続ける指揮官の瞳は、早くも次なる熱い戦いを見据えている。

■2026年4月4日 第27回全国高校女子硬式野球選抜大会決勝
@東京ドーム 開始20時 終了22時13分

[佐]中澤、天野、浦川、○小野-高原
[履]●原田、田村-松村

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