あまりにも圧倒的な優勝だった。優勝マジックを「2」としていたソフトバンクが、球団生誕の地でオリックスを下し、3連覇を達成した。優勝決定時点で2位・西武とのゲーム差は「11」。小久保裕紀監督は、なお手綱を緩めず、10ゲーム差以上でのフィニッシュと、2年連続での日本一を誓った。 写真=佐藤真一、牛島寿人 
破竹の9連勝で一気に優勝マジックを減らし、3連覇を達成。パ・リーグMVP候補の1人でもある近藤健介を中心に歓喜の輪が出来上がった
野手陣はケガなく過ごし、投手陣は新戦力が台頭
勢いそのままに9連勝で球団創設の地・大阪にて歓喜の瞬間を迎え、小久保裕紀監督は7度宙に舞った。福岡に本拠地移転後初のリーグ3連覇。

球団発祥の地でもある大阪で、ナインの手によって胴上げされた小久保裕紀監督は、関西の鷹党を前に「就任1年目も大阪で(優勝し)、関西には縁があるなと思っています」
最後のアウトを奪ったのは、今季から選手会長の
栗原陵矢だった。「自身を変えるために引き受けた」とシーズンに突入した主砲は、リーグトップの37本塁打、112打点で、チームをけん引。最後はサードのポジションで9回二死からライナーをガッチリ捕球。優勝の瞬間を締めくくった。

9回二死からサードライナーをガッチリ捕球し、ウイニングボールを掲げてマウンドにダッシュした選手会長の栗原陵矢。本塁打、打点の2冠でトップを快走する
今季の強みは、新リーダーを中心とした打線の固定による爆発力だ。一番に抜擢され、リーグ5位の本塁打数(27)をマークする
正木智也と、盗塁数リーグ1位(28)の二番・
周東佑京のコンビはタイプが異なり、相手にとって恐怖そのもの。2人で演出した好機を、近藤健介、栗原陵矢がかえすパターンが確立。その証拠にリーグの打点数は2人で1、2位を争い、合計209を数える。3連覇を語る上で欠かせない特筆すべき数字だ。

スタンドのファンの声援に応える近藤健介は、この日も9回に先頭でダメ押しの3点につながる安打を放つ。優勝決定時点で打率.306は2位。首位打者をうかがう
チャンスをつかめば、一気呵成に大量得点を奪った。特に優勝決定前日の9月16日のオリックス戦(京セラドーム)では、0対0で迎えた延長10回に一挙4点を挙げ勝利をつかんだ。翌17日の同カードは、6回に4点を奪い、相手先発投手をノックアウト。

6回、無死一、二塁からセンターへの適時打を放った柳町達。チームを勢いづかせた
最終回も連打で3点を追加した。打ちあぐねていても、ひとたび点が入れば畳みかける。爆発的な攻撃力がチームを支えた。
投手陣に目を向けると、2ケタ勝利を挙げた先発投手が昨年は4人に対して、今年は3人。数だけみればほぼ変わらないが、
大津亮介、
前田悠伍、
松本晴が初の10勝以上をマーク。小久保監督も「昨年にない投手たちが台頭したことが、優勝の要因」と、これからのチームを担う20代の投手たちを称賛した。

オリックス打線を5回6安打1失点に抑えた先発の松本晴。粘りの投球で今季11勝目を挙げた
特に前田悠は5月から先発ローテーション入りを果たすと、優勝決定時までに無傷の12連勝。前半戦最後の試合、2位・西武との直接対決では、天敵・
高橋光成との投げ合いを制するなど、大事な場面で結果を残し、自らの力でカードの頭を任されるまでに飛躍を遂げた。
「自慢の野手陣がケガなく過ごし、投手は新しい戦力がやってきた」と小久保監督はシーズンを振り返る。次なる目標は、2年連続の日本一。昨年は9月に完全な戦力がそろった。一方、今年は安定したチーム力でリーグ3連覇を果たした。昨年のタイトルホルダーである柳町達ですら、控えに回ることもあるほどの選手層の厚さは相変わらずだ。「一軍は、二〜四軍の見本とならないといけない」と指揮官は眼光鋭く語る。付け入る隙を与えることを許さず、少しでも気を抜いたプレーがあれば、容赦なく二軍に降格させた。競争を促し、一人ひとりに高い基準を求め続けた結果、昨年とは違う強さをまとったチームへと進化した。一丸となって再び日本一を目指し“全新”する。
【優勝決定試合RESULT】 ■2026.9.17 18:00開始@京セラドーム 入場者数:3万485人 オリックス1-7ソフトバンク