
9月21日に初の一軍昇格、来季への足掛かりをつかんだ大木
これまでの苦労が少しだけ報われた。9月29日、ZOZOマリンでの
オリックス戦でプロ初のスタメン出場を果たした
大木貴将は、この試合で記念すべき初安打と初盗塁をマーク。試合後は、記念球を手に「言葉には表しづらいですが……うれしいです。今までやってきたことを出せてよかった」と感慨に浸った。
プロ2年目で初めて一軍に昇格したのは9月21日のことだった。
伊東勤監督は「あちこち守れることが彼の強みだし、いろいろなところにトライしてほしい。あのタイプはいそうでいない」と、高い評価を口にしていた。
シーズン中盤にも昇格が予定されていたが、チーム事情から消滅していたこともあった。内外野を守れるユーティリティーは、チームにとって貴重な存在だ。
ファームでは主に二塁を守り、内野だけでなく時には外野も守った。四国IL/香川から、2016年育成ドラフト1位で入団。シーズン途中に支配下登録を勝ち取った苦労人だけに、「試合に出られるなら(ポジションは)どこでもいいんです」と言い切り、あえてこだわりを持たずにいる。
29日は慣れない三塁で先発出場し「そこまでやったことがないから緊張した。飛んでくるな、と思ったら1球もこなくてよかった」と、日焼けした顔をほころばせた。
試合途中には守り慣れた二塁の守備位置に就き、堅実にゴロをさばいた。俊足と守備を売りにする25歳。与えられたチャンスをつかもうと、必死に走り回っている。
写真=BBM