
あらゆる役目をこなす阿部はチームに欠かせぬ存在だ
派手さはなくても、チームに欠かせない存在だ。プロ7年目を迎えた
阿部俊人は、内野のユーティリティープレイヤーとして存在感を見せている。堅実な守備力と小技ができるバッティングに加え、ムードメーカーとしてもベンチを盛り上げる。今季は10月4日まで40試合の出場だが、数字以上の貢献を見せている。
今季最大の仕事は8月4日の
ロッテ戦(Koboパーク宮城)だった。1点を追う9回、同点に追いつきなおも二死一、二塁。途中出場からそのまま打席に入ると、右越えのサヨナラ打を放ち、見事に試合を決めた。この日は梨田監督の64回目の誕生日。指揮官を「夢のよう。最高のプレゼント」と喜ばせ、打った本人は「(打った球は)全然、覚えてないです」と喜びを爆発させた。
「本業」でも確実な仕事を見せている。昨季から2シーズンを通して失策ゼロ。「(守備固めは)やって当たり前だし、責任は重い。ノーエラーはなかなか難しいけど、それは継続していきたい。天然芝と土で難しくなっている中で、(昨季)サードとかでエラーしなかったことは一番自信になりました」と胸を張った。
サービス精神も旺盛だ。サヨナラ打を放った8月4日のお立ち台では「(自身の応援)タオルが少ない。半額にしますんで買ってください。100枚ぐらい」と突然宣言。自ら半額分を負担して値下げを敢行すると、アッという間に完売した。ファンへの配慮も忘れず、ベンチからチームを支え続ける。
写真=高塩 隆