
キャンプでしっかりと牙を研ぐ坂田
前年からのケガで出遅れた影響もあり、昨季初の一軍昇格は8月23日だった
坂田遼。シーズン通しても、1年目の9試合に次ぐ11試合という少ない出場にとどまった。
それでも、「いい経験ができた」と前を向くのは、出場11試合中、先発4試合、途中出場7試合で16打数7安打、打率.438、2本塁打、4打点と、与えられた打席の中で結果が残せたからにほかならない。
特に、代打では5打数4安打、打率.800と、チームの中で求められた役割を期待以上に果たした。昨季は
山川穂高、
外崎修汰ら若手の突き上げもあり、長打を誇る
メヒア、左のスラッガー
栗山巧といった、これまでスタメン出場が当然とされてきた好打者の代打起用が増えた。そういったチーム事情から、坂田の優先順位も下がらざるを得なかった。だが、その中で、チャンスが巡ってくれば一発回答で期待に応えた。
今季は、そこに
松井稼頭央が加入し、外野手、代打のポジションはさらに群雄割拠となる。「若手がものすごく伸びてきていて、スタメンや代打で出るのも簡単ではない」と、厳しさは覚悟の上だが、虎視眈々と出番をうかがっている。
「僕が、ほかの選手に何が勝てるかといったら、バッティングしかない。勝負強さを売りにしていきたい」
今季は節目の10年目だ。
「チャンスは多くはないかもしれないですが、少ないチャンスでいかに印象付けるかにこだわりたい。若手に負けないよう、与えられた場面で仕事ができるように頑張りたい」
勝負師として、確実性に磨きをかけ、チームの勝利に貢献する。
写真=佐藤博之