
1年目から一軍戦力となっている中村稔
初勝利の味は少しだけ悔しさが入り混じっていた。ドラフト5位ルーキーの
中村稔弥は8月24日の
ソフトバンク戦(ZOZOマリン)の2番手で3回1/3を3失点。味方の大量点に支えられ、白星がついた。お立ち台に上がった左腕は緊張の面持ちで「(気分は)最高です。今日は打たれてしまったけど、野手の皆さんが点を取ってくれて、勝ててよかった」と振り返った。
この試合でプロ初被弾となる柳田の一発に衝撃を受けた。「初球に空振りを取ったツーシーム。コースが甘かったんですけど、1球でとらえられた。これまで以上に次からはもっと1球1球を大事に投げていきたい」。この登板以降、3戦連続無失点。反省を糧に日々成長を続ける。
長崎・清峰高から亜大を経て入団。東都大学リーグ通算18勝の即戦力左腕の一軍デビュー戦は6月17日、
中日戦(ZOZOマリン)での先発だった。だが6回途中5失点で初黒星を喫し、二軍落ち。ファームでは「真っすぐでしっかり押して、変化球で打ち取ることを勉強した」と投球の基本をたたき込んだ。下半身を強化したことでフォームも安定し、ボールに体重が乗るようになったことでキレも増し、球速も自己最速147キロまで伸びた。8月に再昇格してからは救援としてチームを支える。
「まだまだ細かい課題は多いですけど、少しずつ結果を出していきたい。下位指名ですけど、上位指名の選手に負けたくない」。ハングリー精神も原動力にして、プロの世界でのし上がっていく。
写真=BBM