
日本ハム移籍2年目で正捕手定着を目指す宇佐見
今季の捕手陣の中で前半戦で最も多くスタメンのマスクをかぶったのは
宇佐見真吾。
巨人から移籍2年目の強打の捕手は、北の大地で才能を開花させつつある。
開幕戦ではエース・有原とバッテリーを組み、プロ入り初の開幕スタメンの座を勝ち取った。同じく正捕手候補の1人だった清水が再調整でファーム降格後は、主戦捕手として奮闘。スタメン出場の数はすでに自身のキャリアハイを更新した。
名前をもじった「チャーミー」や「チャミ」がチーム内の愛称。穏やかで笑顔を欠かさないハートフルな性格ですっかりチームになじんでいる。同じく「チャミ」と親しみを込めて呼ぶ栗山監督が宇佐見を絶賛した試合がある。
7月23日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)。「今日みたいなのがチャミらしい」とうれしそうに振り返った活躍はチームがまさに求めていたものだった。捕手としては先発の
バーヘイゲンを6回まで2失点と好リード。7回以降も玉井、宮西、秋吉という勝利の方程式を力強く引っ張り、虎の子の1点を守り切った。そのリードを生み出したのも宇佐見だった。1点を追う2回に、移籍後初アーチとなる逆転の1号3ランを右翼席へ運んだ。1点は返されたが、きっちりとゲームメークして勝利を収めた。
栗山監督は言う。「もともと打つ能力があったから来てもらった。それに攻撃型だけど、守備の技術も高い。今は捕手は打たなくてもいいという時代ではない」。現状は一軍復帰した清水との併用だが、開幕前から宇佐見は「優心には負けないようにやりたい」と公言してきた。優しい表情の裏にある負けん気の強さで、勝負の後半戦も存在感を発揮していく。
写真=BBM