今季のドラフトで唯一の一軍入りを果たしている小川。自慢のストレートに磨きをかけ中継ぎで確固たるポジションを手に入れたい
ドラフト6位投手の
小川一平は一軍切符をつかんだ開幕前、先輩の
藤川球児から声を掛けられたことをしっかりと覚えている。
1位
西純矢から5人が高校生を指名したドラフトで、小川は大卒新人で2000年の
吉野誠以来20年ぶりの開幕一軍になった。
「球児さんから『分からないことだらけだと思うけど、オレとか先輩が何でも教えてくれると思うから』と言っていただきました」
現役引退を決めた藤川が残した「オレに勝てないものは、
巨人にも勝てない」というメッセージは心に刺さったに違いない。
小川のデビュー戦は開幕2戦目になった6月20日の巨人戦(東京ドーム)。7回から2/3回を3安打5失点の苦い思い出になってしまった。
その後も中継ぎで登板機会を与えられたのは、矢野監督から「勝ちパターンに入ってもおかしくない」と期待を受けているからだ。
8月17日には初めて二軍降格となった。14試合にリリーフで登板して防御率7.62。結果を残したとは言えなかった。
だが「少し緊張した」といった甲子園での初登板は球速150キロを超えており、チェンジアップ、カットボールもしっかりと投げてきた。
9月3日には再び一軍昇格を果たした。本格派右腕はストレートに磨きをかけることを課題にしながら経験を積んでいる。
チームも後半戦に入ってブルペンの台所は苦しくなってくる。若手がしのぎを削る中、競争に勝ってポジションを固めたい。