
遊撃、三塁の守備をこなしながら、打順も変動。しかし、柔軟に対応している
マルチな働きを見せている。最下位に沈む中で奮闘しているのが、来日1年目の
アルシデス・エスコバーだ。メジャー・リーグ、ロイヤルズ時代の2015年にゴールドグラブ賞を獲得した守備の名手は現在、チームに必要なピースとなっている。
1月末の来日時には「全力でプレーすることはもちろん、チームの勝利に貢献すること。守備にもプライドは持っているけど、打撃にも同様のプライドがある。守備に特化した選手ではない」とアピールしていた。開幕当初はなかなか調子が上がらない時期もあったが、7月8日の
中日戦(ナゴヤドーム)では1試合4安打。11月4日現在で95試合に出場し、102安打を放って打率.279。10年から9年連続でメジャー140試合出場、100安打以上を記録しており、今季も一時は打率がリーグ10傑に入るなど、バットでもしっかり結果を残している。
下位打線からクリーンアップ、一番打者など、マルチな打順で起用されるエスコバー。リードオフマンとしてスタメンに名を連ねた際、
高津臣吾監督は「一番を打ってすごく楽にというか、しっかり自分の打撃をできているように感じる」と意図を説明。シーズン1本塁打と怖さはないが、しっかりと先頭打者としての役割を果たした。
そして、何よりも評価すべきはタフさだろう。リーグ4位の8死球を受けながら、ここまで出場選手登録を抹消されたことはない。試合を欠場してもすぐに復帰する。12月に34歳を迎えるが、丈夫な肉体が安定した成績を生んでいる。
打撃でも守備でも若干物足りなさを感じるが、1シーズン出続けた貢献度は高い。助っ人自身にとっても充実したシーズンに違いない。
写真=BBM