
今季は4月20日現在、4試合に先発し、3勝0敗、防御率1.82をマーク
プロ5年目で、ついに念願の先発ローテーション入りを果たし、4月20日現在、開幕から3連勝と最高のスタートを切った
平井克典。昨季まで中継ぎを中心として重用され、2019年には、81試合に登板し、パ・リーグの最多登板数記録を樹立。その快挙からもリリーバーは天職とも言えそうだが、一方で、一人の投手として、先発への思いは常に変わらず持ち続けてきた。
「2年目からずっと、『機会があったら先発がやりたいです』というお話は(コーチ陣に)させていただいていました」。昨季、プロ入り初めて4試合で先発登板を経験したが、その上で、シーズン終了直後にあらためて「来年は先発一本で挑戦させてください」とこれまで以上の熱意を込めて直談判。監督、投手コーチから「競争に勝ったら」と挑戦権を得て、見事に勝ち取った形だ。
新たな挑戦の原動力となっているのが、昨季41試合、5勝5敗7ホールド、防御率4.18と不本意な成績に終わった悔しさと、「どんどん若くて良い投手が出てきている」という現実の焦りからくる、「野球人生、このまま終わっていくのか」という並々ならぬ危機感だ。「それは絶対に嫌だ!」。自己変革を決意した。
練習では妥協を一切捨て、若手とほぼ同メニューをこなす。また、長い回を投げるためにワインドアップにも着手し、チェンジアップも新たに習得。そうした成果が好スタートを生んだと言えよう。
「自分から挑戦させていただいた以上、中途半端なことはしたくない。2ケタ勝ちたい」。必ずや有言実行してみせる!
写真=BBM