
6月に記者会見に出席した田中健。後半戦、チームの戦力となれるか
頼れる男がマウンドに帰ってきた。2019年8月に左ヒジの内側側副靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、長いリハビリを続けてきた
田中健二朗が7月30日のエキシビションマッチ、
楽天戦(楽天生命パーク)で登板した。非公式試合ながらも一軍では実に3年ぶりのマウンド。1対1の7回に登場して1安打2四球を出したが、最後は
小深田大翔を三振に仕留めた。
16年に自己最多の61試合に登板して28ホールドポイントを記録。中継ぎ左腕として球団初のクライマックスシリーズ進出の原動力となった。翌17年も60試合に登板し、リーグ3位からCSを勝ち上がり日本シリーズの舞台も経験した。フル回転の代償として痛めた左ヒジを手術。リハビリは決して順調とはいかなかった。「今までどおりに投げると痛みや張りが出る」。再発の恐怖や過去の自分と比べた違和感に向き合う日々は「難しい」と何度も漏らした。それでも負担の少ないフォームを模索し、再びマウンドに上がる日を目指してきた。
6月17日に支配下登録の記者会見に臨み、背番号「046」は0が取れて元に戻った。「懐かしい感じもする」と笑顔を見せたのは一瞬で「まだ老け込む年齢じゃない。また60試合投げられるよう頑張っていく」とすぐに気持ちを入れ直した。
ここがゴールではない。静岡・常葉学園菊川高では3年春のセンバツ大会でエースとして優勝を経験。最後の夏も全国4強入りを果たした、
DeNAでは数少ない甲子園の申し子。暑くなれる夏が再びやってきた。
写真=YDB