
一軍初昇格を果たした10月18日の楽天戦[楽天生命パーク]で初安打をマーク
全体的な打撃不振に陥ったチームの中で、シーズン最終盤に光り輝いたのが高卒ルーキーの
細川凌平だ。一軍初昇格を果たした10月18日楽天戦(楽天生命パーク)では「八番・遊撃」で即スタメン出場。第1打席は対戦した楽天・
西口直人のオール直球攻めの前に空振り三振を喫したが、第2打席はその直球を中前へはじき返し、プロ初安打をマークした。
19歳とは思えない言動も魅力的だ。楽天戦の試合後には「デビュー戦で絶対に1本打ちたいと思っていた」と振り返った。意志の強さ、気持ちを体現できる頼もしさを感じさせる力強い言葉だった。その後も一軍で出場機会が与えられ、10月30日までに6試合でスタメン出場。いずれも下位打線での出場だったが、無安打の試合は2試合だけと奮闘する。
今季は大ケガも乗り越えた。二軍で経験を積んでいた6月に右手有鉤骨骨折のため、手術を受けて戦線離脱。実戦復帰は8月末だった。それでも、細川に対するチームの期待は大きい。今季限りで退任する
栗山英樹監督も「絶対打つと思う。バッティングの軌道は抜群」と打撃センスの高さを認める。一軍での経験も今後の成長の大きな糧となるはずだ。
チームとしても、今季は下位打線で目立った活躍をした選手は少なかった。長打力のある
石井一成や捕手の
清水優心、
石川亮あたりが奮闘も、下からの突き上げもあまりない中で最後にチャンスをもらった細川の生き生きとした姿は目を引くものがある。「来年はもっと飛躍できるように」と一軍での活躍を思い描く細川なら、有言実行しても驚かない。
写真=BBM