正捕手争いに「伏兵」が登場した。球界屈指との呼び声もある超強肩、山瀬慎之助の評価が急激に上がっている。
全国制覇を果たした石川・宇ノ気中、2019年夏の甲子園で準優勝した同・星稜高で
ヤクルト・
奥川恭伸とバッテリーを組んだ20歳は、宮崎キャンプ二軍スタートも、2月11日に行われた紅白戦で持ち前の強肩を披露。「キャンプ中に一軍に上がってやるという気持ち」と語っていたとおりに一軍昇格を勝ち取った。
2月17日の
ロッテとの練習試合(那覇)では7回の守備からマスクをかぶり、9回二死死三塁でロッテ・
小沼健太から右前へ適時打。対外試合初打席でいきなり結果を残した。それまで
大城卓三が8打数無安打、
岸田行倫が7打数無安打だった中、
原辰徳監督は「山瀬は魅せるプロらしいすごいスローイングを持っている。ヒットも出ると本人は自信になるでしょうね。彼は1打席しかないのに」と褒め称えた。
昨季は大城が自身初の2ケタとなる11本塁打、リーグトップとなる盗塁阻止率.447をマークしたが、原監督は今季の捕手争いを「横一線」と強調している。経験のある32歳の
小林誠司が新型コロナウイルス感染で出遅れた中、大城、岸田との争いに加わった山瀬は「リーダーとなって引っ張るような気持ちでやっていきたい」と自覚を示す。
大城が一歩リードしていることに変わりはないが、開幕までのオープン戦次第では、一軍公式戦未出場の若武者が扇の要につく可能性も十分にありそうだ。
写真=BBM