
BIGBOSS野球にも対応できる柔軟性で存在感を出していきたい
今季こそ、夏男になりたい。6年目の
石井一成にとって、真夏を乗り越えることがレギュラーへの大きなハードルだ。過去5年は疲労もピークとなってくる夏場に失速した。キャリアハイの114試合に出場した1年目も開幕直後は順調だったが、初夏の6月から調子を落とし、8月に再調整で二軍降格となった。
BIGBOSSが就任した今季は、7月12日時点でチーム5位となる68試合に出場。内野手では
清宮幸太郎、
野村佑希に次いでチャンスをもらっている。レギュラー白紙で、来季へ向けた“トライアウト”の位置付けも大きい今シーズンだが、BIGBOSSは「オールスター明けからポジションも打順も固定していく」ことをミーティングで明言。レギュラー生き残りをかけて、インパクトを残し続けるには今夏をどう乗り切るかが重要だ。
自分史上最高の夏にするために、幸先の良いスタートは切った。7月1日の
オリックス戦(札幌ドーム)では2回に決勝の先制適時三塁打。試合後には今季初めて、お立ち台に上がった。「(一軍に)いるだけでは意味がない。しっかり結果を残して存在感を出して、これからもやっていきたい」。開幕から一軍の座を死守するが、改めて気を引き締めた。
その2日後には名演技でトリックプレーを完結させた。3日のオリックス戦(同)の2回二死一、三塁。一塁走者の石井は左腕の
山崎福也に対して二盗のスタート直後で故意につまずき、けん制を誘い出した。その間に三塁走者の
松本剛が生還した。こんなBIGBOSS采配にも驚きは「全くない」。難解な指揮官の野球を理解し、体現しながら今年の夏はレギュラー確保の足場を固める。
写真=BBM