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ヤクルト・中村悠平 世界の頂を知る男/チームを支える扇の要

 


 今シーズンもスワローズの扇の要には背番号27が座る。中村悠平は一時体調不良での離脱もあったが、捕手ではチーム最多の57試合に出場。打率.208、3本塁打、18打点と「打」の面では決して本調子ではないが、「守」では懸命に投手陣をリードしている。

 昨年11月末。ゴールデン・グラブ賞の授賞式では「やっぱり守備というところには自分のこだわりだったり、プライドだったりというのはいろいろありますし、やっぱりチームを勝たせてなんぼのポジションだと思う」と自負を示していた。「激務」と言われる捕手というポジション。打線でもしぶとい打撃と成功率の高い犠打などで貢献するが、何よりも守備で存在感を発揮している。

 大きな経験をしてチームに戻ってきた。3月には第5回WBCの日本代表として3大会ぶりの世界一に貢献。決勝のアメリカ戦では、最後に大谷翔平(エンゼルス)とバッテリーを組み、マイク・トラウト(エンゼルス)を空振り三振に抑えて日本中に歓喜の瞬間を届けた。

「打席にトラウトで、投手に翔平(大谷翔平)がいて、球場はマイアミのローンデポパークで。多分生涯忘れない景色になると思う。しっかり攻めればあれぐらいの大打者でも抑えられるんだなと勉強になりましたし、翔平も言ってましたけど、憧れを捨てるのはすごく大事。びびらないってところは世界大会でも大事だなと思った」

 世界の頂点を見て、また一回り成長した中村。苦境に立たされているチームを救う。
写真=BBM
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