
登板数はキャリアハイを大幅に更新。チームに欠かせぬ存在となった
見事に自分の居場所を見つけたシーズンとなった。昨季は故障もあり、一軍では4試合登板に終わった
池田隆英が、今季は大躍進。先発やロングリリーフといった役割から勝利の方程式の一角としてセットアッパーの地位を確立。10月1日時点でキャリアハイを大幅に更新する51試合に登板。フル回転でチームに欠かせない存在となった。
2021年オフから取り組んできた球速アップが、実を結ぶ1年となった。当時は先発ローテーション入りを目指す中で、平均球速を150キロに近づけるのが目標だった。21年は平均145キロほどだった直球は、22年に平均146~149キロととなり、中継ぎとして1イニングを全力で投げる今季は150キロ超え。力強い真っすぐで押す投球スタイルが、新たなポジションでハマった。
首脳陣の評価もシーズンをとおして高めていった印象だ。開幕後に今季初昇格したときは、勝ち負けの展開を問わず、複数イニングもこなせる中継ぎの1人。ただ、池田が「地道に結果を出したい」という意気込みどおりに任されたマウンドで結果を出し続けると、その力強い投球が勝ち試合の終盤で見られるようになった。
来季続投が正式決定した新庄監督も池田に絶大な信頼を置いている。7月9日の
ロッテ戦(エスコンF)では1点リードの8回に、いつもどおりに池田を起用も逆転を許してチームは敗れた。その試合後に新庄監督は「ずっと抑えてきてくれた池田君が打たれたなら仕方ない」と発信した。不完全燃焼の昨季からの大復活を証明する指揮官の言葉だった。
写真=BBM