
リリーフとしてポストシーズンでも好投を見せた石井
貴重なリリーフ役でリーグ優勝、日本一に貢献したのは
石井大智だ。クライマックスシリーズ・ファイナルステージ、日本シリーズに各3試合登板。勝負のポストシーズンの計6戦を無失点で乗り切った。
日本一になった夜を振り返った石井は「ビール掛けも2回目だったんで、めっちゃ楽しかったです。顔に掛けたりできて、うまくなりました」と勝利の美酒を存分に味わったようだ。
秋田工高専から四国IL/高知を経て2020年ドラフト8位で
阪神入りした異色の右腕。身長175センチと小柄な体だが、上から投げ下ろすボールのキレとフォークを武器に投げまくった。
7月15日の
中日戦(甲子園)から、9月17日の
DeNA戦(同)まで、登板した18試合連続で無失点で切り抜けた。体調不良で離脱した時期もあったが、ブルペンを支えた1人だった。
岡田彰布監督が「使い勝手のいいピッチャー」と語ったように、リリーフの役割も試合状況に関係なくマウンドに立った。44試合に登板し、1勝1敗、19ホールド、防御率1.35は立派だった。
独立リーグ時代は元南海ホークスの左腕で、投げっぷりの良かった
吉田豊彦氏から指導を受けた。「あの人の下で育った。恩返しがしたかった」と活躍する姿を届けることができた。
昨年1月に結婚。石井が「妻のお陰で集中できた」とメンタル面でも安定し、充実したシーズンを送ることができた。独立リーグの星は「自分の仕事をするだけ」ともう一度、来季の活躍へ気持ちをはせる。
写真=BBM