直筆の手紙で初陣を託した指揮官に、有原は勝利を届けられるか
大役に向けて、順調な一歩を踏み出した。開幕投手に指名された
有原航平が2月25日に行われた韓国/斗山との練習試合(アイビー)で今季初の実戦に臨んだ。わずか7球で1回を1安打無失点。「まずはケガなく投げることができた。その点は良かった」と上々の試運転に、安堵の表情を浮かべた。
先頭打者に3球目のツーシームを中前にはじき返されたが、まったく動じなかった。続く打者を同じツーシームで一ゴロ併殺。「ヒットを打たれた球と同じ球種だけど、いいところに投げられた。同じミスを繰り返さずにしっかり修正できた」と1イニングの中でも収穫はあった。最後は146キロの直球で二ゴロに打ち取り、役目を終えた。
メジャーから復帰した昨季は開幕先発ローテーション入りを逃したものの、6月に一軍昇格すると、チーム最多の10勝をマーク。完封勝利で球団54年ぶりとなる大型連敗を12で止めるなど、エース級の活躍を果たした。今季、開幕投手の大本命と目された右腕は、2月21日に
小久保裕紀監督からチーム宿舎の自室に呼ばれると、2枚の便せんにつづった手紙を渡され、指揮官の初陣でもある3月29日の
オリックス戦(京セラドーム)の先発を伝達された。
「(開幕投手は)特別な思いがあります。僕のために(手紙を)書いてくれるのはすごくうれしいし、意気に感じました」と表情を引き締めた。
日本ハム時代にも2度、開幕投手を務めたが、いずれも黒星。「チームを代表して投げさせてもらう。1球目から全力で投げることが大事」と力を込め、白星をつかむ。
写真=湯浅芳昭