
オープン戦で好投を続ける岡留
ここにきて評価が急上昇しているのは、3年目シーズンを迎える
岡留英貴だ。
岡田彰布監督も「1年前とは全然違う姿を見せてくれている」とうなずくほどだ。
もともと潜在能力の高い変則型ピッチャーだった。ただバッターの背中を通るような荒れ球もあって制球が定まらないことで信頼を欠いた。
昨年10月1日の
広島戦(マツダ広島)で4回から二番手で登板してプロ初勝利を挙げた。自身でコントロールが効かない投球を安定させることが課題だった。
今春の沖縄キャンプでは球威とともに投球バランスを考えながら取り組んだ。実戦4試合で5回2安打無失点。岡田監督が選ぶ投手の「キャンプMVP」は自信になった。
「去年より真っすぐに強さも出せているし、投球の感覚もいいです。力まずに体のバランスで強いボールを投げることができていると思っています。1イニング、1イニング結果を出していきたい」
しかし、トラのブルペンはセ・リーグきっての“狭き門”で知られる。右ピッチャーでは新外国人のハビー・ゲラ、
石井大智など実績組でひしめいている。
大卒3年目で開幕からメンバー入りし、さらにマウンドに上がるために、本人は「オープン戦で死に物狂いで投げたい」と食らいつくつもりだ。
「今年は勝負のイメージでやっています。1年を通して一軍で投げなくてはいけないと思っています」
岡留は変則の強みを発揮しながら、連覇を狙う新戦力になるつもりだ。
写真=BBM