激しいレギュラー争いに割って入る。明豊高から入団6年目の右打ち外野手、濱田太貴から目が離せない。昨年12月に行われた契約更改の場で、今季への決意として色紙に「勝」と記し「外野のポジションを1個取る。レギュラー争いに勝つという意味で」と込めた思いを明かしていた。
持ち味は、何といってもパンチ力のある打撃だ。濱田自身も「打撃しかないと思っているので。打ってアピールできるように、率を上げていきたい」と自覚する。オフシーズンは、元チームメートの大先輩、
内川聖一氏(元
ヤクルトほか)に弟子入りし、スイングする際の力みをなくすよう助言を受けた。長打力は生かしつつ、率も上げていく。すべては、定位置奪取のためだ。
今春の沖縄・浦添キャンプでは早速アピールした。今年初の対外試合となった2月15日の
ロッテとの練習試合(浦添)。五番・右翼で先発出場すると、五回に今季の『チーム1号』となる左越えソロを放った。まだ開幕に向けて仕上げている段階だったため、「もっと狙った球に手を出せるように、それをいい形で打てるように精度を高めていきたい」と反省が口をついたが、
高津臣吾監督は「彼は守備の選手ではなく、遠くに飛ばすバッター。そこでアピールするのがレギュラーの近道。いいアピールだった」と高く評価した。
大ベテランの
青木宣親を始め、
塩見泰隆、
サンタナ、新加入の
西川遥輝ら越えなければいけない壁は高い。ただ、負けるつもりもない。自身の武器を磨き、その座を奪いにかかる。
写真=BBM