鮮烈なデビューを果たした。ドラフト2位右腕・松本健吾は、プロ初登板となった5月15日の
広島戦(松山)で9回3安打無失点、10奪三振、無四球の快投で完封勝利。新人選手のプロ初登板完封勝利は、球団では1952年10月10日の
小山恒三以来72年ぶり2人目で、2ケタ奪三振での無四球完封はプロ野球史上初の快挙となった。
「新人ですし、チームに勢いを持ってくるようなピッチングをしようと思って、思い切っていこうと思っていたので、それがいい結果につながってうれしいです。100点満点ですね」と振り返っていた松本健。かねて
高津臣吾監督は「新しい力が勝つためには必要」と口にしており、チームに新たな風を吹き込み、勢いを加速させる存在として期待された。
だが、プロの世界の厳しさも知った。2度目の登板となった5月26日の
中日戦(バンテリン)では3回途中6安打4失点でプロ初黒星。6月7日の
日本ハム戦(神宮)では3回8安打3失点で降板し、翌8日に出場選手登録を抹消されてファームでの再調整が決まった。
高津監督は同戦後「いろいろ投げていくとプロの怖さとかもわかってきていると思いますし、まだまだ勉強中だなと思います」と今後の成長を求めた。洗礼を味わったが、一軍の舞台で経験を積み、今後に生かすことが重要になる。早い段階で良い思い出も、プロの現実も知れたことは大きい。
二軍では再び勝利に貢献するために強化に励む毎日。後半戦、逆襲のピースとなるべく研鑽を積む。
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