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広島・九里亜蓮 気合をみなぎらせ、最終盤にスタンバイ/このままでは終わらない

 

今季、ここまで6勝8敗と負け数が先行している九里


 マウンド上の九里亜蓮の表情から、気迫がにじみ出ていた。8月18日のヤクルト戦(神宮)、6回を投げて村上宗隆のソロでの失点のみに抑えた。7月以降、それまで5戦で防御率は6.35。「長い回をどうのこうのというより、一つずつのアウトをしっかり取れるようにと、初回から思い切っていきました」。無四球投球の4安打1失点で今季6勝目を手にした。

 11日の阪神戦(京セラドーム)では初回に2失点し、3回で降板。4回二死満塁で迎えた打席で代打を送られた。いきなりビハインドを背負った序盤の重要なチャンスだったとはいえ、背番号11の“現在地”を物語っていたと言っていいだろう。その1週間後に意地を見せる投球。新井貴浩監督は「悔しい思いをして、その分、気合が入っていたと思う」と、好投をねぎらった。

 8月19日に出場選手登録を抹消されたが、決して消極的な抹消ではない。自身の代わりに、9日に今季初先発で阪神打線を5回3安打1失点(自責ゼロ)に抑えた3年目左腕・森翔平が再び同カードに先発。菊地原毅投手コーチは「疲労がたまっているところもあったから」と語り、抹消後も一軍先発陣とともに調整を行った。9連戦を先発8人で回したように、シーズン最終盤を見据えたものだった。

 11年目の今季は、念願の開幕投手を務めた。大瀬良大地床田寛樹森下暢仁を含めた先発4本柱で一人、登板内容では遅れを取る。「やっぱり1試合でも多く、チームの勝ちに貢献できる試合を増やしていかないと」。リーグ優勝に向けた戦いの中で、ここからが真価と意地の見せどころだ。

写真=BBM
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