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中日・梅津晃大 制球力と修正力を磨いて/このままでは終わらない

 


 こんなはずではなかった。チームも、そして梅津も……。8月12日のヤクルト戦(神宮)。今季12度目の先発マウンドは散々だった。

 立ち上がりから制御不能に陥った。1回。いきなり先頭の岩田幸宏に四球を与えると、長岡秀樹に中前打、さらにサンタナに四球を与えあっという間に満塁に。

 ここで村上宗隆を一ゴロ併殺打で二死二、三塁としたが、ここからオスナ太田賢吾に連続四球で押し出し。2回に2点を追加されるも、味方が同点に追い付いた直後の4回にサンタナにスライダーを右中間席へ運ばれ勝ち越された。

 4イニングで103球を投げ、7安打、5四球、4失点。「リズムが悪い投球になってしまい、チームに申し訳ないです。最後まで修正できませんでした」。ふがいない投球に二軍降格が決まった。

 飛躍のシーズンにするはずだった。2022年3月に右肘内側側副靱帯の再建術、通称トミー・ジョン手術を受けて、昨季一軍に復帰。昨秋のキャンプでは立浪和義監督から「来年は1年間、使う。だから絶対に故障だけはしないでくれ」と声を掛けられた。

 ドジャース・大谷翔平を彷彿とさせる体躯から放たれる150キロを楽に超える直球とスライダー、フォークのコンビネーションは未来のエースと目されて然るべきだった。

 今季は9月2日現在、12試合に登板し、2勝6敗、防御率4.16。67イニングで30四死球。この「未来の」はいつ取れるだろう。気付けば大卒6年目のシーズンが終わろうとしている。もう期待値だけではメシは食えない――。このままでは終われないはずだ。

写真=BBM
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