
ここまでリーグ1位タイの37セーブと抜群の安定感を誇っている
わずか1点リードで迎えた9回を、打者3人で危なげなく締めくくった。8月24日の
阪神戦(マツダ
広島)、50試合登板の節目で
栗林良吏は
中日の
ライデル・マルティネスの34セーブに並び、防御率を再び大台突入の0.98とした。「何とか(
大瀬良大地)大地さんに勝ちをつけてあげなきゃと思ってマウンドに上がった」。7戦白星なしの大瀬良が63日ぶりに5勝目。チームにとっても大きな1勝となった。
チーム121試合終了の時点でチーム防御率2.32はリーグ1位。特にリリーフ防御率は1.93と驚異的だ。「ある程度、みんな危機感を持ちながら。いいコミュニケーションを取れているし、みんなやるべきことが分かっている」。切磋琢磨しながら“守り勝つ野球”を支える。
今年は登板数にこだわってシーズンをスタートさせた。「昨年はセーブ数にこだわってセーブ王を目標にやったけど、どうしてもセーブ機会のほうが……という感情が出てきた。それは良くない」。昨季は故障や不振でセットアッパーも経験したが、今季は開幕から守護神に君臨し続け、登板数はチーム最多だ。
今季は日本人最速に並ぶ178試合目での通算100セーブ到達もあった。4敗を喫しながらも、セーブ失敗は逆転サヨナラを許した7月28日の
ヤクルト戦(神宮)の一度だけ。ここから6年ぶりのリーグ優勝に向けた戦いが最終盤を迎え、1勝の重みは増す。「自分の記録よりも、まずはチームの勝利だと思っている」。1試合でも多く勝利を締めくくった先に個人、そしてチームの大事なタイトルが見えてくる。
写真=BBM