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日本ハム・水野達稀 「小柄な九番」の意外性あふれる打撃/下位打線で光る

 

勝負強い打撃で勝利を呼び込む頼もしい下位打線を形成する


 今季台頭した若手の筆頭格は水野達稀だ。3年目は春季キャンプで二軍スタートながら、オープン戦までに猛アピール。開幕前に新庄剛志監督からレギュラー当確を言い渡され、遊撃手として開幕スタメンを奪取した。打順の中で主に任されているのが七番以降の下位打線。後半戦はほぼ九番固定で上位打線へとつなぐ攻撃のキーマンとなっている。

 意外性あふれる打撃が魅力だ。身長171cm、体重75kg。プロ野球界では小柄な部類に入るが、左打ちで一発長打を放てる。5月21日オリックス戦(エスコンF)では逆方向となる左中間へホームラン。このときは「入っていないと思っていたんで、三塁でガッツポーズしていたら『ホームランだよ』と言われました」と苦笑いした。

 体に宿る底知れないパワーは、努力の結晶だ。新庄監督が「ベンチプレス、140(キロを)上げるんですよ」と明かすように日頃の鍛錬がパワーの源。見た目にとらわれず、水野の長所を見抜いている指揮官は“小柄な九番”のイメージを利用してチャンスでも思い切り打たせた。期待に応えて水野も外野の頭を越える長打を幾度となく放ってきた。

 6月に故障離脱してファン投票で選出されたオールスターは無念の辞退となったが、一軍復帰後は再び下位打線に定着。9月10日の西武戦(エスコンF)では0対0で迎えた9回裏、二死三塁の好機で右前適時打を放ち劇的サヨナラ勝利を決めた。攻撃陣に欠かせない存在として機能している。「自分の良さは積極性。誰が出てもおかしくない状態だと思うので、スタメンで出られるように残り試合も頑張りたい」。自分の立場も確固とするためにも、下位打線で光り輝き続ける。

写真=BBM
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