
満塁の場面で抜群の勝負強さを発揮する恐怖の八番だ
1年前の「恐怖の八番打者」と恐れられた活躍からすると物足りなさはあるが、今シーズンもそのポジションを守り抜いた。6月に30歳を迎えた
木浪聖也のことだ。
激しいV争いを続けるシーズン終盤の木浪は「とにかく結果を引きずらないことが大切だと思っています。一戦一戦です」と前を見据えていた。
今季は「満塁」に強い八番打者で知られている。9月4日の
中日戦(甲子園)でも、5回に3つの塁が埋まった場面で打点を稼いだ。
岩嵜翔の球速152キロ、外角高めのストレートを左前にはじき返した。今シーズンの満塁時は打率.500(16打数8安打)という驚異的な勝負強さだ。
ほとんどが「八番打者」だった昨年はベストナイン、ゴールデン・グラブ賞に輝いたように1年間好調をキープした。木浪が出塁して上位でかえす得点パターンが売りだった。しかし、今シーズンはなかなか調子が上がらず、2割台前半の打率が続いた。シーズンを通して働くことができなかったのは骨折による負傷も原因だった。
6月15日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)で死球を受けて左肩甲骨骨折に見舞われた。1カ月のブランクもあって順調なシーズンではなかった。
小幡竜平にとって代わられるような時期もあったが、小幡のケガもあったことで、再びレギュラーの座を奪い返した形になった。「恐怖の八番」が復活し始めてきた。残り試合が少ない中で連覇に向けて、攻守両面でキーになるショートストップとして戦いを続けていく。
写真=BBM