
貴重な中継ぎ要員としてチームの勝利に貢献する石井
ゲームの流れを左右するポジションを担っているのが
石井大智だ。今シーズンもイニング、展開を問わず投げ続けてきた。
いかなるシチュエーションでも表情を崩さない。淡々と投げているようで、そうではない。常に勝負球で立ち向かう。昨シーズンは44試合(1勝1敗19ホールド)にリリーフしてリーグ優勝と日本一に貢献。プロ4年目の2024年はそれを超えて投げまくっている。
もっとも開幕一軍入りも順調ではなかった。4月初旬には二軍行きとなり、約1カ月間ファーム暮らしだった。石井は「ボールが走っていても打たれる」ともらしたこともあった。映像と感覚のバランスをこだわりながら調整を続けた。クイック気味に投げるなど試行錯誤。そこで「いろいろ考え過ぎて小さくなっている」と本来の姿に気付くのだった。
岡田彰布監督も「もっと強気で攻めていってもいいんじゃないか」と復調を期待した。石井は貴重なリリーバーとしてカムバックしてきた。
もともと独立リーグ四国IL/高知から「三振を取れるピッチャー」という高い評価を得て、ドラフト8位で
阪神入りしている。石井本人が「強い球」というMAX154キロのストレートを低めに集め、同じ軌道で配するシンカーなどの落ちる球で打者を仕留めてきた。
後半戦では19試合連続で無失点をマークするなど、貴重な中継ぎ要員としてスタンバイ。勝ちパターンのピースとして熱投を続ける。
写真=BBM