阪神が今年度のドラフトで5人の独立リーガーを指名した。ちょうど1年前に虎の一員として独立リーグからピックアップされたのが椎葉剛だった。

　ドラフト2位で四国IL／徳島からの阪神入り。今年1月の新人選手研修会で、講師役だったのがOB・藤川球児氏だった。

　藤川氏が「僕は入団会見で自分が一番活躍すると言いました」という話を聞いた椎葉は「自分もアピールしたい」と反応した。

　その藤川氏が、シーズンオフには阪神新監督に就いたのも縁だった。そして秋季練習では早速、直接指導を受けた。

　釣り好きの椎葉が藤川監督から受けたのは「(釣り竿のように)腕をしならせるように投げる」というアドバイスだった。

　独立リーグからのNPB入りを果たし、ルーキーの中で唯一一軍キャンプに参加した。ただオープン戦では、結果を残すことができなかった。

　結局、1年目は一軍で登板する機会がなかった。特にリリーフのポジションは戦力層が厚く、ファームからはい上がれなかった。

「ほとんど苦しかったけど、厳しい世界だと思いました。打たれない真っすぐを投げて抑えないといけないですね」

　二軍ではほとんど中継ぎでの登板だったが、今後は先発も選択肢に入るようだ。みやざきフェニックス・リーグでも真っすぐに磨きをかけた。

　藤川新監督からは「時間はかかるけど必ず良くなる」と激励を受けた。椎葉も「来シーズンこそは」と実りの秋にするつもりだ。

写真=BBM